こんにちは、日本橋店の武田です。
演劇でも本でもいいですが、人生を変えるほどの傑作に出合ったら、皆さんはどうしますか?
僕はとりあえずツイッターに投稿します。これがどれほど面白かったか、どれほど共感できたかを出来る限り興奮を隠して冷静な文で投稿する。
けれども大抵は共感を得られない。いいねもつかない。なので僕はこの興奮を胸に抱えたまま生きている。
得られなかった共感を求めてネットで検索すると、それほど評価されていなかったりする。
そうなると一気に落ち込む。落ち込んだ後に腹が立ってくる。こいつらおかしいんじゃないか?と。
しかしそれはエゴだ。「カニミソの美味さがわからないヤツって人生損してるよな」レベルの話だ。自分が好きなものが他人も好きとは限らない。
だったら好きなんて言わなければいいんじゃないか?とも思う。いや、それでも…
と、いった感じに好きを論じ始めるとキリがない。人間が生きていくなかで最も身近で、最も大切な感情のはずなのに。
それでは今回の作品紹介に参りましょう。劇団5454の「好き」です。
劇団5454
【好き】
この記事の公開時点では東京公演は終了しています。小耳にはさんだところによると、「面白かった」「なんとなく使っていた好きを考えるきっかけになった」「5454らしいSFテイスト」「いやぁ面白かった」などなど絶賛の嵐。これは期待せざるを得ませんね。
以下、詳細です。
【ストーリー】
窓から見える公園では、恋人たちが毎晩愛を囁き合う。
ボロアパートと墓場の挟み撃ち。
禿げた芝生に錆びたブランコ。
砂場の砂の半分は野良猫のウンコ。
それでも、恋人たちは愛を囁き合うから奇妙だ。
でも、あの子に出会ってわかった。
「好き」は、病いだ。
五感全てに影響する病気だ。
劇団5454が贈る、偏屈な恋の物語。
【キャスト】
工藤佑樹丸
石田雅利絵
板橋廉平
榊木並
高野アツシオ
竹間梨香
村尾俊明
森島縁
【日時】
大分公演
5月31日(水) 19:00
6月1日 (木) 14:00/19:00
大阪公演
6月7日 (水) 19:00
6月8日 (木) 19:00
6月9日 (金) 13:00/19:00
6月10日(土) 13:00/18:00☆
6月11日 (日) 13:00
☆ アフタートークあり
※受付開始は開演45分前から,開場は開演30分前から
※赤字は完売。当日券あり
※本編は2時間を予定。休憩なし
【会場】
大分公演
ホルトホール大分・小ホール
〒8700839 大分県大分市金池南一丁目5番1号
JR大分駅徒歩2分
大阪公演
OVAL THEATER & GALLERY (旧・ロクソドンタブラック)
〒545005 大阪府大阪市阿倍野区阿倍野筋2-4-45
地下鉄谷町線「阿倍野駅」1番出口より徒歩2分
JR、地下鉄御堂筋線「天王寺駅」より徒歩6分
近鉄南大阪線「阿部野橋駅」より徒歩5分
阪堺上町線「阿倍野駅」より北へ徒歩1分
【料金】
大分公演
・一般
前売 3,000円
当日 3,500円
(以下、前売のみ)
・グループ 2,500円(3人以上まとめての予約)
・学生 2,000円(受付にて学生証を提示してください)
大阪公演
・一般
前売 3,500円
当日 3,800円
(以下、前売のみ)
・グループ 3,000円(3人以上まとめての予約)
・学生 2,500円(受付にて学生証を提示してください)
◆全席自由
◆応援しているキャストがいらっしゃいましたら、備考欄にぜひご記入ください。
◆開演時間を過ぎますとご入場頂けない場合もございます。お時間には余裕を持ってご来場下さい。
◆チケットを紛失した際に仮券を発行致しますが、本券をお持ちのお客様がいらした場合、本券が優先になります。
◆未就学児の入場はご遠慮下さい。
【予約】
・corich
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この記事が公開された3日後には大分公演が始まりますが、大阪はまだ1週間とちょっと待たなければいけません。
にも関わらず大阪公演に先駆けて工藤佑樹丸さんと制作の森ゆか里さんが日本橋店にご来店されたりと正に蛇の生殺し状態の関西勢。旅券と大分公演のチケットをおさえるのは少し待って下さい。
そんな5454ロスの皆さんにプレゼントがあります。なんと!
6ケ月連続新作配信!
まずは記念すべき旗揚げ公演「ランドリーシンドローム」と
代表作、最高傑作と呼び声高い「ト音」の初演版から配信スタート!
半年も5454と一緒です。5454ロスになるのは半年先まで待ってもらいましょうか。
【ランドリーシンドローム】
高嶋光介くん、27歳。初めての洗濯。
彼女が出て行った。彼は今日、27歳にして初めて洗濯をした。
慣れない手つきで洗濯機を操作してみたが、あら簡単。
「偉そうに言ってたけど、こんなもんか。」
そうつぶやく彼の半笑い顔を愛せる女性は少ないのかも知れない。
回り始めた洗濯機を、吸い込まれるように見つめている。
キレイになっていく衣服。変わりに汚れていく水。ぐるぐるぐるぐる……
どのくらい時間が経ったのかよくわらかない。何を考えていたのかもよく覚えていない。
残っているのは、何とも言えぬ高揚感だった。
【ト音(2013年版)】
あれも嘘。これも嘘。嘘ばっか。この世界(学校)には嘘が多過ぎる。
僕の大切な時間を、バカ共のしょうもない嘘で埋められるなんて、何て不毛なことだろう。
「君には期待してるよ」
先生。聞こえてますよ、嘘の音。
劇団5454が送るのは、嘘の周波数と笑いが奏でる、ちょっと不思議な協和音。
【マザー】
2013年現在、2500棟以上あると言われるハウスシェアリング。
老醜安価なゲストハウスとは一線を引き、小粋多用なシェアハウスが若い世代を中心に受け入れられ、今も尚増え続けている。
世田谷のとあるシェアハウスには、例により年齢も職業も性別も違った、統一感のない連中が暮らしている。
ある日、無能を自負するナオは同居人たちに手料理を振る舞い賞賛を得る。それをキッカケにナオはままごと程度に家事を担当し始め、見返りにお駄賃を頂戴していく。
炊事、洗濯、掃除、仕入れ、管理……ナオの仕事が増えるとともに、家は便利になり、ナオは力を得る。そしてままごとは、いつしか小さな世界を支配する。
いつの間にか変化していく日常は、違うとわかっていても戻せない事がある。狭い環境で起きる支配は、きっと誰にも他人事ではない。
【tag】
人間科学を専門とする大学講師のコジマは、嫌だった。
同僚ヨネヤマの、誰にでも理想的な助言をする様が。
学生ショウタの、常に集団の真ん中にいる様が。
妻メグミの、雑誌の片隅のおまじないを実行する様が。
かと言って、これらの否定は野暮ったい。だから、助言や薦めは聞き流す。
人と適度な距離感を守っているはずのコジマに、陰気な学生フミは言う。
「先生のタイムライン、随分荒らされてますよ」
劇団5454第5回公演は、日々、当たり前に貼付けられる付箋を整頓。
ワケ無く嫌気が差す瞬間、きっとタグがついている。
【トランスイマー】
ある女は、スイスの心理学者カール・ユングの集合的無意識を次のように解釈する。
「自分だけの世界でしかないと思っていた夢の中が、他の誰かと繋がっている」
SF映画に出てくるような、大げさな機材は必要ない。
記憶に共有部分があり、その記憶を呼び起こしさえすれば、
他人の夢に潜るのは容易いのだ。
劇団5454第7回公演は、夢(眠り)を考察。
夢の共有に魅せられたオタクたちが、夢中を狂い泳ぐ。
【少年の庭】
5454の大阪進出作品。
ある日、小さな町で一人の男が突如失踪した。
それを調べる雑誌記者は、取材を重ねるうちに失踪した男に違和感を感じる。
「〝彼〟を知る人たちが、同じ〝彼〟の話をしているとは思えないんです」
記者は、男を知るために過去を追い始めた。
そして、それは少年時代まで遡る。
劇団5454の新作は、「子ども」を追うミステリー。
明日の彼を知っているのは誰なんだ?
見たい公演配信がまだまだ先と言う方は他の作品を繰り返し観ながら待つことをおススメします。
個人的なおススメはこれです。
「観てみたブログ」を書くために会社で観たのですが、笑いをこらえるのが大変だった。
個人的には5本の指に入る傑作でした。皆さんもぜひに。
【劇団5454】
「5454」と書いて、「ランドリー」と読む。
劇団5454が描くのは、
日常と隣り合わせのファンタジー。
青空の下になびいているTシャツのように、
いつもの風景がちょっとだけリフレッシュされるような。
目指せ、
日常の嫌な気持ちもゴシゴシと洗い上げてしまう劇団。
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