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06.【観劇三昧】 作品レビュー

観てみた baghdad cafe’「リターン☆プラネット on stage」

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こんにちは。武田です。

 

現在、観劇三昧で配信されている作品はおよそ639作品。しかも毎週増加中です。

その中で好みの作品を探すのはちょっと大変です。

そこで、毎回一つの作品をスタッフがレビューしていきます。

それを参考に好みの作品を探す手掛かりにしてほしい。

そんなコーナーです。

 

 

今回レビューする作品はこちら。

 

 

 

baghdad cafe’

「リターン☆プラネット on stage」

 

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【baghdad cafe’】

2003年8月に結成。
大阪を中心に、泉寛介の脚本・演出で公演を行う。
日常から宇宙を舞台にノスタルジックなエンターテイメントを自然体でつくる劇団。
やさしい演劇を目指し、観終わった人がほっこり元気になることを目的としている。

 

【概要】

第14回公演

 

【ジャンル】

SF   コメディ

 

【あらすじ】

かつて時代劇映画の黄金期を支えた富良根都 撮影所は、衰退の一途をたどっていた。
銀幕スターを夢見て上京した☆子(すたこ)は、危機感の無い撮影所の面々に不満を抱えていた。
ある日、オーナーの娘である茉莉は「一カ月後に、無駄なこの撮影所を潰してスイーツアトラクション施設を建てる」と言い出す。困った関係者たちは、すごい映画を作って見返してやろうと意気込む。黄金期のような活気を取り戻していくスタッフ達。しかしそんな中、妹から「実家が大変だ」と聞いた☆子は、泣く泣く実家のある田舎惑星「たもつ星」に帰星(帰省)。
そこで☆子が見たものは、変わり果てた実家の姿だった……。

 

baghdad caféが贈るノスタルジックSF大河コメディエンターテイメント!

【観る前の印象】

SF×コメディ、これは絶対に面白い!

 

【感想】

前にも言ったかもしれないが、いい舞台にはいい前説がついているものだ。

前説は作品の第一印象であり、ここが気に入らないと肝心の芝居も斜めに見てしまう。それほど重要な事だ。

今作の前説は変わっていた。

 

今となっては少し懐かしい某・雪の女王のテーマを歌いながら登場したのは、前説界では知らぬ者はいないスーパーMC、セプテンバー洒井さん。

前説マニアの僕は姿勢を正して聞いていたが、一向に前説が終わる気配がない。マシンガンのように放たれる小粋なジョークが全く鳴りやまない。姿勢良くしているのもしんどくなってきた。

結局彼は照明も落とさずに10分ほど前説を行った。ここまでくるともう前説ではない。立派な本編だ。

かなりの衝撃だった。まだ本編に入っていないのに。早くレビューに移ろう。

 

始まったのは時代劇、まずは殺陣に始まり、そこから流れるようにダンスと歌に続く。ここまでは舞台ではよく見かける光景だ。

しかしここにも変わった点が一つ。歌詞に字幕がついているのだ。気になって仕方ない。バックスクリーンに映像が移されているのも相まって、歌番組か映画を観ているようなおかしな感覚になってきた。

 

 

途中まで観たあたりで、僕は一旦休憩することにした。身体的な意味もあるが、何よりも脳が追い付かなくなったからだ。

今作のキーワードは「時代劇」と「革命」と「介護」。一見何の関連もなさそうなこの3つの要素が交じり合い、互いに反発することもなく見事に一つになっている。その事実を僕の固めの脳みそは理解したがらなかった。そんな事あるわけない、と言うのだ。

登場人物がちょいちょいメタな発言をしてこちらを現実に引き戻すのも原因の一つだろう。

 

頭が冷えるにしたがってある考えが浮かんできた。「そもそも楽しみ方がちがうんじゃないか?」と。

僕はどうしても固く考えすぎる。舞台を観るという事を難しく考えすぎているのではないか?と。

それを踏まえてもう一度再開。すると、新しい視点が見えてきた。

 

 

前説から今までこれでもかと放たれてきたエンタメ要素。歌にダンス、映像、某歌劇団のパロディ、フリップ芸…挙げだすときりがない。

そのひとつひとつに堅苦しい理由はない。全ては観客に楽しんでもらうため。エンタメに特化した結果だ。

しかし、単なるどんちゃん騒ぎではなく、真面目に語れば暗い内容になってしまいそうな「介護」や格差から起こった「革命」をエンタメと時代劇で味付けして明るく、観やすくアレンジしてある。しかし、深読みしようと思えばいくらでも深読みできるような含みを持たせた演出も見逃せない。奥の深い作品だ。

 

理屈ではなく、本能で楽しむも良し、とことん深読みして考察しても良しの、誰にでもオススメできる一作です。是非に。

 

余談になるが、劇中歌の「ああ、時代劇」と「ああ、大宇宙の謎」はカラオケでも配信されている。

シニカルな歌詞がとても印象深い曲だ。こちらも是非に。

 

 

 

笑える度    ★★★★☆

エンタメ度 ★★★★★

ファンタスティック度★★★★★

 

 

 

リターン☆プラネット on stage

 

【観劇三昧クイズ】

 

Q.今回の日替わりゲストは?

 

【こんな人にオススメ】

・理屈っぽい人

・観劇初心者

 

作品紹介

================================================================

・日時

2014年 4月18日~21日

・会場

インディペンデントシアター2nd

・キャスト

一瀬尚代

ハシグチメグミ

辻るりこ

有元はるか(はちきれることのないブラウスの会)

大江雅子

川添公二(テノヒラサイズ)

木下聖浩(kei’sWorks)

是常祐美(シバイシマイ)

佐々木ヤス子

条あけみ(あみゅーず・とらいあんぐる)

殿村ゆたか(melonallstars)

成瀬トモヒロ

松本茜(meyou)

山根千佳(TAKEITEASY!)

林遊眠(劇団ショウダウン)

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観てみた:彗星マジック「アルバート、はなして」

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こんにちは。武田です。

みなさま、お待たせしました。週に一度のお楽しみ、観てみたブログです。

 

現在、観劇三昧で配信されている作品はおよそ628作品。

もうそろそろ1日2本観ても1年持ちそうですね。

これほど膨大な作品の中で好みの作品を探すのはちょっと大変です。

そこで、毎回一つの作品をスタッフがレビューしていきます。

それを参考に好みの作品を探す手掛かりにしてほしい。

そんなコーナーです。

 

最近はあまりに配信のペースが速いせいで、僕も完全には把握していなかったりする。それはどうかと自分でも思う。

今回紹介するのはコチラ!

 

彗星マジック

「アルバート、はなして」

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ものすごくマニアックな話になるが、【観劇三昧】においてこの作品の登録IDは1番。

一番初めに配信された作品ということになる。だから何だと言われればなんでもないんですけど。

 

【彗星マジック】

そんな国が隣にありそうな、昔こんな時代があったような、

未来こんなことになりそうな、そんな空想のリアルが

念頭にある無国籍ファンタジーを基盤に物語をつむいでいます。

見上げると、目が痛くなるような青空に浮かぶ大きく厚い雲の中にはきっとラピュタがあるんだ、

ずっと使ってきた時計や万年筆には魂が宿っているに違いない・・・

そういった思いを大切にする作品をこれからも発表していけたらなあ、と思っています。

が、

実は大体、何でも有りです。

「面白い作品を作る」だけです。

 

【ジャンル】

ファンタジー

ドラマ

 

【ストーリー】

彼は「3」という数を、とても愛しく思った。

3次元に住んでいて。空と海と地上に恵まれ、過去、現在、未来の中で。生まれ、生きて、死んでいく。始まり、続き、終わってしまう。

この地球もそういえば太陽系の第3惑星で、彼は「3」という数を、とても愛しく思った。

彼は「数」という数量を表すために用いられる概念から派生した数式で、人を、世界を、宇宙を、神を。…現そうと、考える。

それは愚かか、否か、幸福か

数を重ねて、彼は、生きた。

「3」から成される世界の中で、求め見つけて失って、幾度もそれらを繰り返し、数を重ねて、彼は、生きた。

【観る前の印象】

相対性理論の人、ぐらいしかイメージの無いアインシュタインの一生に興味がある。

 

 

【感想】

ストーリーはいたってシンプル。アルバート(アルベルト・アインシュタイン)の一生を描く話だ。ややテンションがずれた母とハキハキした妹、温和な父に囲まれて育ったアルバートはその科学の才能を活かして良くも悪くも様々な功績を残したのでした…というのは伝記に書かれている通り。今作はそこにある要素を加えて、一筋縄ではいかない構成に仕上がっています。

 

ユダヤ系の家系に産まれ、そのうえ度を越した無口だったアルバートは学校でからかわれ、いじめられます。そんなアルバートを支えていたのは前述の家族と。これは別に例えではありません。本当に神が出てくるのです。

神はアルバートが大人になり、研究者兼特許庁の職員として働きはじめた後もそばについています。ということは、辛い幼少期を乗り越えるために現れたイマジナリーフレンドというわけでもないようです。ならなぜそんなファンタジーな存在が現実のものとして現れてしまったのでしょうか。

神様の名前はウルズとヴェルダンディ。ゲーム好きの人なら名前は知っている人も多いのではないでしょうか。北欧神話に登場する運命の女神で、それぞれ過去を司る女神、現代を司る女神と呼ばれています。

 

「それとなんの関係があんだよ?」と思っているあなた。アインシュタインと言えばなにを生み出した人でしょうか?

…そうです。相対性理論です。不勉強がバレるので説明はこの言葉に任せます。

「熱いストーブの上に一分間手を載せてみてください。まるで一時間ぐらいに感じられるでしょう。ところがかわいい女の子と一緒に一時間座っていても、一分間ぐらいにしか感じられない。それが相対性というものです。」

こういう事ですよ。(ざっくり)

時を司る女神と時間の流れ(あってますよね?)を解き明かそうとしたアルバート。この作品のテーマにたどり着くヒントかもしれません。

観終わった後にこんなふうに内容を考察できるのは名作の条件ではないでしょうか。

 

 

勉強になる度  ★★★★★

しっとり度   ★★★★★

考察が楽しい度 ★★★★★

 

【観劇三昧クイズ】

Q.アルバートが作中で好意を持つ女性の共通点は?

 

 

【こんな人にオススメ】

・物語の深読みが好きな人

 

アルバート、はなして

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劇団突撃インタビュー★いつかどこかにこんな話は本当にあったのでは?と思える上質ファンタジー!作・演出家に突撃★

今作の作・演出の勝山修平さんのインタビューです。

アルバート制作秘話のほか、自身のルーツや今一番気になっていることなど盛りだくさんな内容となっています。

この記事を書くきっかけにもなっていたりします。

今回の「アルバート」と勝山さんのイチオシ「ポストグラフ」はコチラからどうぞ。

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観てみた:こまち日和「行進曲「食卓」

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僕の部屋は食卓とベッドが同じ部屋にある。

アイリブインワンルーム。

武田です。

 

 

現在、観劇三昧で配信されている作品は621作品。

そのうえ、今も増え続けています。

この中で好みの作品を探すのはちょっと大変です。

そこで、毎回一つの作品をスタッフが視聴してレビューしていきます。

それを参考に好みの作品を探す手掛かりにしてほしい。

そんなコーナーです。

 

さて、今回レビューする作品はこちら。

 

こまち日和

行進曲「食卓」

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作・演出 チャーハン・ラモーン

【こまち日和 (西村朋恵プロデュース・こまち日和)】

場所空間にこだわって、生演奏でお届け。
わくわくすることを詰め込んだプロジェクト。

 

【ジャンル】

ドラマ

 

【ストーリー】

うちの旦那は昔ヒーローだった。今は何もしていない。空も飛べたらしいが、今ではずっと家にいる。なんだか知らないがずっと目の前にいる。私は愛やら恋には興味がない。だからこれで満足だ。

 

【観る前の印象】

ヒーローのその後。気になる。

 

【感想】

個人的な話を一つ。

僕が通っていた専門学校の公演パンフレットに、今作の作・演出のチャーハン・ラモーンさんがイラストを描いてくれたことがある。

ビビットな絵のタッチと独特な名前。一目で僕はファンになった。

今作のチャーハンさんはチラシデザインだけではなく脚本を書き、演出までしている。さらに調べると脱力系コントユニットのメンバーだったり、役者として舞台に立っていたりもする。彼は一体何者なのか。イラストレーターとしてのチャーハンさんしか知らなかった僕は大いに困惑した。困惑しながらもファンとして大いに期待した。だってチャーハンさんの脚本だぜ?

しかしこれは仕事だ。プライベートならともかく、仕事でレビューする以上は私情を挟まないようにしなくては。

話がそれた。

 

今回のテーマはヒーロー。ここだけ聞くと手に汗握るような冒険活劇や全身タイツにマント姿のマッチョな男を想像してしまうが、今回はその後の話。

悪党を懲らしめたり、人助けをしていたのも今は昔。ライバル関係にあった大悪党は・大悪党になり、・ヒーローはそんなに高級そうに見えないマンションに妻と二人で暮らしている。しかも妻とは少しぎくしゃくしている。こう書くと普通の人間だ。

そう。悲しいくらいに普通の人間なのだ。

「あの頃は良かった」なんて言ったら年寄りくさいだろうか。けどもヒーローは昔は好きな人といっしょに空も飛べた。張り合えるライバルもいた。今でも人々は自分をヒーローとして尊敬してくれるけども、自分ひとりの力ではもう人助けなんてできない。それはわかっている。けどもどうしようもない。

頭をかきむしりたくなるような「どうしようもない」を抱えながら物語は進んでいく。

といっても話が暗い方向へ行き過ぎないのは役者の力か。それとも脚本の力か。中でも僕のお気に入りは宮川サキさんが演じた「近所のばあさん」。

リアルすぎる話し方と手の震え。さすがです。

 

 

ヒーロー物なのに「SMASHHH!!!!」みたいなオノマトペの似合わない、「しっとり」と心にしみる一作。おススメです。

 

 

 

しっとり度    ★★★★★

満足度     ★★★★★

どうしようもない度 ★★★★★

【観劇三昧クイズ】

Q,記者会見に来ていた新聞記者の宮川が所属する新聞社は?

 

 

【こんな人におススメ】

・妻がいる人。

・ヒーローの経験がある人。

 

行進曲「食卓」

 

 

行進曲「食卓」(字幕付き)

読んで字のごとく字幕付き。しかしセリフだけではなくト書きまでついている。

見直しにもおススメです。

 

 

 

作品紹介

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・日時

2012年4月13日~4月15日

・会場

cafe slow osaka

・キャスト

岡村宏懇

宮川サキ(sunday)

福山俊朗(マジックラジオ)

林裕介(劇団自由派DNA)

大塚宣幸(大阪バンガー帝国)

竹田桃子(売込隊ビーム)

西村朋恵

・スタッフ

照明プラン 加藤直子(DASH COMPANY)
照明オペ  加納あやこ
舞台美術  磯部沙恵里
衣装 ヨダミカ(Gato-Gato)
写真 堀川高志(KUTOWANS STUDIO)
制作 武内奈緒
制作協力 永尾有樹子

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大阪【観劇三昧日本橋店】
地下鉄堺筋線 恵美須町駅徒歩5分!
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東京【観劇三昧下北沢店】
京王電鉄・小田急電鉄 下北沢駅南口から徒歩2分!
東京都世田谷区北沢2-9-2 ZIP155ビル 2F
営業時間 11:00~20:00(水曜定休)

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