観劇三昧パートナーズヴォイス:【第1回】伊藤裕一さん(お座敷コブラ)
観劇三昧パートナー(演劇作品を配信する劇団やカンパニー)の生の声をお届けする「観劇三昧パートナーズヴォイス」。栄えある第1回は、観劇三昧の作品中でも屈指の再生数を誇るお座敷コブラの主催者、伊藤裕一さんをお招きしました。観劇三昧で作品を配信したいけど、実際どんな感じ?ほんとに観てもらえる?どんなことに困るの?そんな疑問をお持ちのみなさまの、ご検討のヒントになれば幸いです。(聞き手:黒澤世莉)
2017年4月某日、公演の稽古でお忙しい合間を縫って、観劇三昧下北沢店にご来店いただきました。
プロフィール(伊藤裕一 OFFICIAL WEB SITEより)
1984年3月25日生
幼少期をシンガポール・台湾で過ごす
劇団お座敷コブラ主宰・全作品の作演出を手掛ける他、幅広い分野で活動している
「お座敷コブラ」では台本と演出も担当されています。
お座敷コブラ公式ホームページ
https://ozashikikobura.jimdo.com/お座敷コブラでは劇団LINEスタンプを二種類作られています。ひとつはすし漫画「おしゅしだよ」作者・やばいちゃんとコラボしたもの。かわいい。ほしい。
https://store.line.me/stickershop/product/1409654
観:さっそく、観劇三昧との出会いからお伺いします。
伊藤:観劇三昧では、サービスがはじまった早い段階から配信させてもらってると思います。
当時は劇団でDVDを作って売っていたのですが、在庫の管理が大変でした。数が多くて部屋が狭くなるし、発送も大変でした。公演が終わってからも、月々10~20本は通信販売で買ってくださるお客様がいる。でも、自分が旅公演に出てたりすると、どうにもできない。おまたせしてしまって申し訳ない。
だから、オンラインで配信できないかな? 通販で買ってくれる遠方のファンのためにも。と思って、webサービスを探していました。
ためしにある動画配信サービスを利用したのですが、あまりしっくりきませんでした。
観劇三昧と出会ったのは、そんなタイミングです。
観:ありがとうございます。
観劇三昧をご利用いただいて、良かったことはありますか?
伊藤:気軽にスマホで観てもらえるのがいいですね。一回観た作品の、お気に入りのシーンを、出先でも楽しんでもらえる。
「もう一回観てもらう」ことを意識する
観:お座敷コブラは観劇三昧の中でもトップクラスの再生回数があります。どのような工夫をされているのでしょうか?
伊藤:ちょうど、配信を始める時期にDVDの在庫がなくなったので、映像コンテンツの販売を観劇三昧に一本化しました。そして、そのことをファンのみなさまにもしっかりとお伝えしました。それが良かったのかなと思います。
そして、ブログやTwitterで作品の「あのときはああだったね。。。」というエピソードを発信しました。だいたい月に1~2回ですかね。裏話を聞いてくださった方々が、改めてのそのシーンを観たり、作品を見返したくなってくれたらいいなと思って。
SNSで「好きな台詞はなんですか?」と聞いてみたこともあります。ぼんやりと覚えている台詞をしっかり書くために、あらためて作品を観てもらえたのかな、と思います。
さらに、他の劇団員、キャストにも「観劇三昧で配信している」ということを、SNSで発信してほしいとお願いしています。自分が関わっている作品は観てほしいでしょうから。
「もう一回観てもらう」ことを意識して、色々と実行しています。
劇団のために、自分のファンを増やす
観:「観るためにはアクセスしないと!」という環境を作ったら、順調に数字が伸びていったわけですね
伊藤:はい。
他にも、継続して興味を持ってもらうことを意識しました。僕が客演で忙しくて劇団の公演を打てない時期でも、観劇三昧にアクセスすれば、作品を観てもらえる。年に一公演くらいしか出来ないので、ありがたいです。
観:伊藤さんが客演で活躍される。そこでファンになってもらえれば、自然とお座敷コブラにも興味を持ってもらえますものね。
伊藤:外部でがんばることが、再生数の増加に繋がっていきました。
劇団活動だけで成功できれば理想です。ですが、劇団活動だけで成功するのは難しいかもしれません。劇団活動も物入りなので、続けるためには綺麗事ばかりは言っていられない。
観:どうやって、より多くの方々に興味を持ってもらったのですか? きっとみなさん興味があると思いますので、ぜひ教えてください。
伊藤:僕のことを何も知らない人に観てもらうためには、どんなことをしたらいいのか、ということをずっと考えてました。
時間のある時期は、ブログを読んだら付けられる「ペタ」を一日500個付けて回ってました。
観:500個!? 大変ですね!
伊藤:時間があったので。そうすると、そのうちの何人かが僕のブログを読んでくれて、さらにそのうちの何人かが舞台を観に来てくれるようになりました。
観:たゆまぬ努力で読者とファンを増やしていかれたんですね。とても参考になります。
コブラの弱点
観:観劇三昧に関して、いま悩んでいることはありますか?
伊藤:観劇三昧で動画を配信するときには楽曲リストを提出する必要がありますが、そのリストを揃えるのがなかなか大変です。
観:著作権関係はしっかり処理しないといけませんものね。分からないことがあればいつでもご相談ください。
観劇三昧ではJASRAC、NexToneと包括契約を結んでますので、劇団さんは配信にかかる音楽著作権のお金をかけずに配信ができます。大変かもしれませんが、がんばってください。
伊藤:そうなんですね。ありがとうございます。
他にも、演劇業界で、他の団体とのつながりが弱いなと感じています。
観:観劇三昧では演劇人が開催する「月イチ観劇三昧」というイベントを開催しています。そういった場を通じてサポートできることがあるかもしれませんね。
観:最後の質問です。今年の目標を教えてください。
伊藤:【理想の働き方】を見つける一年にしたいです。
観:本当にお忙しいですもんね。今日は貴重なお話をありがとうございました。
伊藤さんの次回出演作
東京公演は4月14日(木)からです。
インタビューを終えて
「まず自分が活躍して、ファンを引っ張ってくる」を実践している伊藤さんは、とても眩しく見えました。言葉にすることは簡単でも、実践することは容易ではないです。きっととても努力をされているのだろうなと思いました。それが、観フェス2017でのエンタメ大賞という結果に繋がったのだと思います。
他にスペースの都合でカットした、劇団ではそもそも物を持たないことにした、というエピソードが面白かったです。Tシャツなどもオンデマンドで作成することで、無用な在庫がなくなり、ファンの方には欲しいサイズの品物がしっかり届けられるそうです。
伊藤さん、重ねてありがとうございました!
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