コートを着るには暑い季節になりましたね。
こんにちは。武田です。
今回は大好評、観てみたブログです。
現在、観劇三昧で配信されている作品はおよそ600作品。
そのうえ、今も増え続けています。
この中で好みの作品を探すのはちょっと大変です。
そこで、毎回一つの作品をスタッフがレビューしていきます。
それを参考に好みの作品を探す手掛かりにしてほしい。
そんなコーナーです。
今回のレビューはこちら
劇団5454(ランドリー)
「ト音」
【劇団5454】
「アドラー心理学」や「ユングの集合的無意識」、「固有振動数」「機会損失」「ストレスフルライフイベント」etc…現代に転がる知識で現代の日常を多角的に切り取る。現代風刺ではなく、ファンタジーでもない。SFに近いが、サイエンスフィクションというよりもサイコロジカルフィクション。青空の下になびいているTシャツのように、日々当たり前に見ている風景がリフレッシュされるような。舞台公演を通して、日常に新たな視点を提案する。
【概要】
初演は2013年。劇団5454の第2回公演。
2015年に、テアトルBONBONにて再演。
【ジャンル】
コメディ 会話劇
【ストーリー】
高校の新聞部に所属する藤と秋生は、教師たちしか読まない校内新聞に嘆いていた。
そこで、内容をゴシップに変えることに。学校に蔓延する「嘘」を暴くのだ。
一方では、保健室通いの秀才長谷川が音について学ぶ。
昔流行った、固有振動数と共鳴で物体の破壊を試みる。
そして、新聞部と秀才は交わり、「嘘の破壊」が計画される。
劇団5454の人気作が待望の再演。
嘘の周波数と笑いが奏でる、ちょっと不思議な協和音。
「君には期待しているよ」
先生。見えてますよ、嘘の音。
【観る前の印象】
音×芝居?何それ面白そう。
観フェスで芸術賞を1位を取った作品。気になる。
【感想】
頭が良いってなんだろうか。僕の考えでは「難しい事を簡単に、かつ面白く説明できる人」がそうだと思う。
その考えが正しいのなら、このホンを書いた春陽漁介さんと、その世界観を理解して演じたキャスト達は、とんでもなく頭の良い集団と言えるだろう。
今回のキーワードは「固有振動数」。
作品の根幹に関わってくる言葉だけに、劇中でもしっかりと解説される。
セットもシンプルに出来ている。上手と下手に分かれた黒板以外は、目立った大道具もない。それとイスの移動だけで目まぐるしくシーンが変わる。
特にこの黒板を使った新聞部二人のネタ出しのシーンがスゴい。チョークで次々に図を書きながら、立て板に水のごとくセリフを話す。
ものすごい早口なのに内容がしっかりと入ってくるうえに、黒板の図がしっかりと補足説明まで入れてくる。しかも二人とも息一つ乱さない。
片方が会話の矛盾点を突けば、もう片方はさらりと解決策を示し、さらに矛盾を突き、さらに… まるで会話の格闘技だ。観ていて楽しいシーンだった。
今作はジャンルにある通り、コメディだ。序盤はピリッと皮肉の効いたセリフと、下世話な好奇心で進んでいくが、中盤に突然作品の色が変わる。
背筋の凍るようなサスペンス展開になるのだ。
さっきまでコメディだったのに、突然デヴィットフィンチャー映画のようなサスペンスが始まるのだ。そりゃあまぁ驚いた。驚きながらも、あまりの巧みな展開に舌を巻いた。まんまと脚本に踊らされたのだ。心地いい敗北感だ。
いい脚本のお手本のような一作。是非観てほしい作品です。
余談になるが、僕の推しは板橋廉平さんが演じた千葉。絵にかいたような男子高校生っぷりがたまらんキャラでした。
笑える度 ★★★★★
満足度 ★★★★★
心地いい敗北度 ★★★★★
【観劇三昧クイズ】
Q,古典教師、戸井の机に飾られているフィギュアは?
チラッとしか映らない上に後ろ姿。コイツは難しいですよ。
【こんな人におススメ】
・他人の嘘が分かる人
作品紹介
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・日時
2015年 5月27日~6月7日
・会場
テアトルBONBON
・キャスト
小黒雄太
工藤佑樹丸
板橋廉平
森島縁
村尾俊明
高野アツシオ
佐瀬恭代
浅川薫理
関幸治
榊木並
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