僕の部屋は食卓とベッドが同じ部屋にある。

アイリブインワンルーム。

武田です。

 

 

現在、観劇三昧で配信されている作品は621作品。

そのうえ、今も増え続けています。

この中で好みの作品を探すのはちょっと大変です。

そこで、毎回一つの作品をスタッフが視聴してレビューしていきます。

それを参考に好みの作品を探す手掛かりにしてほしい。

そんなコーナーです。

 

さて、今回レビューする作品はこちら。

 

こまち日和

行進曲「食卓」

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作・演出 チャーハン・ラモーン

【こまち日和 (西村朋恵プロデュース・こまち日和)】

場所空間にこだわって、生演奏でお届け。
わくわくすることを詰め込んだプロジェクト。

 

【ジャンル】

ドラマ

 

【ストーリー】

うちの旦那は昔ヒーローだった。今は何もしていない。空も飛べたらしいが、今ではずっと家にいる。なんだか知らないがずっと目の前にいる。私は愛やら恋には興味がない。だからこれで満足だ。

 

【観る前の印象】

ヒーローのその後。気になる。

 

【感想】

個人的な話を一つ。

僕が通っていた専門学校の公演パンフレットに、今作の作・演出のチャーハン・ラモーンさんがイラストを描いてくれたことがある。

ビビットな絵のタッチと独特な名前。一目で僕はファンになった。

今作のチャーハンさんはチラシデザインだけではなく脚本を書き、演出までしている。さらに調べると脱力系コントユニットのメンバーだったり、役者として舞台に立っていたりもする。彼は一体何者なのか。イラストレーターとしてのチャーハンさんしか知らなかった僕は大いに困惑した。困惑しながらもファンとして大いに期待した。だってチャーハンさんの脚本だぜ?

しかしこれは仕事だ。プライベートならともかく、仕事でレビューする以上は私情を挟まないようにしなくては。

話がそれた。

 

今回のテーマはヒーロー。ここだけ聞くと手に汗握るような冒険活劇や全身タイツにマント姿のマッチョな男を想像してしまうが、今回はその後の話。

悪党を懲らしめたり、人助けをしていたのも今は昔。ライバル関係にあった大悪党は・大悪党になり、・ヒーローはそんなに高級そうに見えないマンションに妻と二人で暮らしている。しかも妻とは少しぎくしゃくしている。こう書くと普通の人間だ。

そう。悲しいくらいに普通の人間なのだ。

「あの頃は良かった」なんて言ったら年寄りくさいだろうか。けどもヒーローは昔は好きな人といっしょに空も飛べた。張り合えるライバルもいた。今でも人々は自分をヒーローとして尊敬してくれるけども、自分ひとりの力ではもう人助けなんてできない。それはわかっている。けどもどうしようもない。

頭をかきむしりたくなるような「どうしようもない」を抱えながら物語は進んでいく。

といっても話が暗い方向へ行き過ぎないのは役者の力か。それとも脚本の力か。中でも僕のお気に入りは宮川サキさんが演じた「近所のばあさん」。

リアルすぎる話し方と手の震え。さすがです。

 

 

ヒーロー物なのに「SMASHHH!!!!」みたいなオノマトペの似合わない、「しっとり」と心にしみる一作。おススメです。

 

 

 

しっとり度    ★★★★★

満足度     ★★★★★

どうしようもない度 ★★★★★

【観劇三昧クイズ】

Q,記者会見に来ていた新聞記者の宮川が所属する新聞社は?

 

 

【こんな人におススメ】

・妻がいる人。

・ヒーローの経験がある人。

 

行進曲「食卓」

 

 

行進曲「食卓」(字幕付き)

読んで字のごとく字幕付き。しかしセリフだけではなくト書きまでついている。

見直しにもおススメです。

 

 

 

作品紹介

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・日時

2012年4月13日~4月15日

・会場

cafe slow osaka

・キャスト

岡村宏懇

宮川サキ(sunday)

福山俊朗(マジックラジオ)

林裕介(劇団自由派DNA)

大塚宣幸(大阪バンガー帝国)

竹田桃子(売込隊ビーム)

西村朋恵

・スタッフ

照明プラン 加藤直子(DASH COMPANY)
照明オペ  加納あやこ
舞台美術  磯部沙恵里
衣装 ヨダミカ(Gato-Gato)
写真 堀川高志(KUTOWANS STUDIO)
制作 武内奈緒
制作協力 永尾有樹子
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