日本橋店の武田です。

フライヤーは作品の顔。通はフライヤーデザインだけで作風、果ては作品の良し悪しまで見抜くと聞きます。

僕もある程度は目が利くようになってきました。たとえばこの作品。

 

 

将棋。それは盤上の格闘技。合間の食事ですら心理戦となり、時には死傷者も出る。

きっとこれはあれだ、相手の次の手を読む心理風景をバトルとして描く、スーパー将棋演劇だ。

居乳のメイドやらかつての将棋の神様の亡霊やら出てくる少年漫画的な熱いバトル演劇だ。

 

………あ、違う?

今回のお話に将棋が出てくるのではなく、注目すべきはあちら(敵陣)にはたくさんの駒が並んでいるのに、こちら側はたったの一枚という構図。

駒に書かれているのは「劇玉」の文字。さあ、この駒はどのようなトリッキーな動きで敵陣に攻め入るのか。

 

ご紹介しましょう。

 

オイスターズが送る珠玉の短編・中編集

『劇玉Ⅳ

 

…ちなみに、フライヤー画像は「オイスターズが送る珠玉の短編集」となっているが、「中編」が足されたようだ。
この正直さ、好感が持てる(何目線だ)

 

【作品リスト】

 

『みあげた男』

男は今夜も部屋の窓辺に腰掛けて、空を見上げて考えている。どうしてこんなにもバイトに行きたくないのかと。何か理由があるのではないか。そこへ仕事終わりの彼女が帰って来た。

初演:劇作家とつくる短編人形劇書き下ろし作品[演出:木村繁](2015年)
出演:吉田光佑(room16)、吉田愛、平塚直隆


『救急車を呼びました』

※第11代劇王作品

会社の食堂で知らない男に話しかけられた男は、あれよあれよと具合が悪くなっていく。日常生活に潜んでいたちょっとした不安要素がみるみる膨らんでいく、悪夢のような会話劇。

初演:劇王Ⅺ ~アジア大会~(2017年)
出演:中尾達也、平塚直隆

 


『カンコンバス』

少女は学校を休んで大好きな男の子を見送る為バス停にやってきた。話次第では一緒に行きたいがバスの運転手は乗せてくれないし、イケない事だと分かってる。チャイムもうるさい。

初演:長久手市戯曲セミナー(2002年)
出演:川上珠来


『あの匂い』

五感の中で嗅覚が一番記憶との結びつきが強いと言われている。ふっと鼻を抜けて行く匂いにその時の記憶が蘇る。それはいつかの記憶であり、これからの記憶でもあるような無いような。

初演:劇玉Ⅲ(2015年)
出演:吉田愛、川上珠来、佐木崎未穂、秋葉由麻(フリー)、ほしあいめみ(フリー)、永田貴椰(フリー)

 


『かなしくてかなしくて』

ラグビーの試合で大敗した直後、主将が夕陽を見つめ泣いている。僕は頭を下げて強くなると誓ったが主将は泣きやまない。先生もマネージャーも励ますが、それでも主将は泣きやまない。

初演:劇作家とつくる短編人形劇[演出:木村繁](2015年)
出演:芝原啓成、中尾達也、芦田崇(劇団俳優座)、山本一樹(演劇組織KIMYO)、ほしあいめみ(フリー)

 


『触れ』

河川敷にある、大きな緑地公園に毎日散歩に来る男。身よりもなくアパートに帰っても寒いのは変わりがない。唯一の救いは隣に一匹の黒い犬が居る事だ。近くでは野良犬達が騒いでいる。

初演:日本劇作家協会東海支部プロデュース「劇闘」[演出/天野順一郎](2016年)
出演:芝原啓成、椎葉星亜(劇団んいい)、中尾達也


『タイトル未定』

※これはタイトルではありません

俺はどんなタイトルからでもそこそこの物は書ける!と豪語したら、「じゃあ俺達で決めるからそれを書け」と言われた。望むところだ。それで出て来たのが「ヘイ、尻」だった。小学生か!

出演:中尾達也、平塚直隆、古川聖二、河村梓、吉田愛、芝原啓成、川上珠来、佐木崎未穂

 

 

【詳細】

・日時と公演

2018年5月
09日(水)19:30 『触れ』 『みあげた男』 『救急車を呼びました』
10日(木)19:30 『あの匂い』 『かなしくてかなしくて』 『みあげた男』
11日(金)19:30 『救急車を呼びました』 『かなしくてかなしくて』 『触れ』
12日(土)15:00 『タイトル未定』 『あの匂い』 『救急車を呼びました』
12日(土)19:00 『タイトル未定』 『みあげた男』 『触れ』
13日(日)11:00 『タイトル未定』 『あの匂い』 『触れ』
13日(日)15:00 『タイトル未定』 『カンコンバス』 『かなしくてかなしくて』
14日(月)15:00 『カンコンバス』 『みあげた男』 『触れ』
14日(月)19:30 『救急車を呼びました』 『あの匂い』 『かなしくてかなしくて』
15日(火)15:00 『あの匂い』 『みあげた男』 『カンコンバス』

 

・会場

損保ジャパン日本興亜人形劇場ひまわりホール

名古屋市中区丸の内3-22-21 損保ジャパン日本興亜名古屋ビル19F
地下鉄名城線または桜通線「久屋大通駅」西改札1番出口から西へ徒歩3分
※駐車場はございません。公共交通機関をご利用ください。

 

・料金

一般

1回券:2,500円
2回券:4,000円
3回券:5,500円

学生

1回券:1,500円
2回券:2,500円
3回券:3,500円

※学生チケットでご入場の際は、当日、受付にて学生証をご提示ください。
※2回券・3回券はご予約のみの販売となります。

 

【予約】

カルテットオンライン
※当日精算もしくは事前精算(振込)となります。

演劇パス
※事前決算(クレジットカード決済)となります。

Liveticket
※1回券のみご予約可能です。事前決算(コンビニ支払い・クレジットカード決済・キャリア決算)となります。

・オイスターズ
※当日精算のみとなります。
TEL:090-1860-2149(受付時間 10:00~22:00)
Mail:theatrical_unit_oysters@yahoo.co.jp

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「どこをみている」「ここはカナダじゃない」「君のそれはなんだ」などなど目を引くタイトルが並ぶオイスターズの公演。得意ジャンルはライトでドライな不条理系会話劇。

今作もツボを押さえた秀逸なあらすじが並びます。中には2017年9月に開催された劇王Ⅺ ~アジア大会~※にて【第11代劇王】に輝いた「救急車を呼びました」の再演も!

決勝戦の審査員を務めた鴻上尚史さんも「絶滅危惧種である不条理演劇がここで生き延びてるのを見る感じがあって、非常に面白かった」と太鼓判を押す一作です。会話劇好き必見です!

そして観劇の際には事前決済で受付スムーズ、劇団にも優しい演劇パスでのご予約をおススメします。

 

※劇王:劇作家協会東海支部のプロデュース、愛知県長久手市の主催により、2003年から開催されてきた短編演劇の大会。観客とゲスト審査員の投票によって優勝者が決まる。

 

【オイスターズ】

2005年、昭和48年生まれの俳優たちによるユニットとして“ジ・オ イスターズ”結成。
2008年より“オイスターズ”と改名し、生まれ年の異なるメンバーも参加。

最近では「過剰なまでに会話劇」を劇団のテーマとし、動かない役者が棒立ち棒読みで喋っていて
ただの下手クソ集団なんじゃないかと思われている。

それでも愛知県芸術劇場演劇フェスティバル、文化小劇場芸術公演、名古 屋市民芸術祭での公演や
「高校生の為の演劇教室」に招かれるなど、名古屋を拠点に年2~3回の公演を行っている。

さらにこまばアゴラ劇場サマーフェスティバル<汎-PAN-2011>への参加以来、
名古屋・東京での2都市公演を行うなど活動の幅を拡げ、2012年はついに日本を飛び出し韓国公演、
2013年には『ドレミの歌』『日本語私辞典』の2作品合計9都市の全国ツアー公演までするなんて
幅を拡げすぎにも程がある。

座付作・演出の平塚は、ライトでドライな不条理系会話劇を得意とし、第 4回仙台劇のまち戯曲賞大賞、
第16回劇作家協会新人戯曲賞最優秀賞、日本劇作家協会東海支部プロデュース「劇王Ⅸ」第9代劇王ほか、受賞歴多数。
さらに若手演出家コンクール2011にて最優秀賞を受賞したことで、劇作と演出の史上初の二冠を達成した。

 

公式サイト

 

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