観劇は月に2~3本。
お金がない。
スタッフの武田です。
お待たせいたしました。今回は大好評シリーズ「観てみた」でございます。
現在、観劇三昧で配信されている作品は504作品。
そのうえ、今も増え続けています。
その中で好みの作品を探すのはちょっと大変です。
そこで、毎回一つの作品をスタッフがレビューしていきます。
それを参考に好みの作品を探す手掛かりにしてほしい。
そんなコーナーです。
今回紹介する作品はこちら。
劇団壱劇屋
「6人の悩める観客」
【ジャンル】
サスペンス
【あらすじ】
劇団壱劇屋の公演へようこそ。
今公演は皆皆様以外に6人のお客様がご来場されます。
その6人のお客様も皆皆様と同じように受付でチケットを購入し、当日パンフレットを手渡され、客席に案内されることでしょう。
ただし彼らは皆皆様とは別の客席に案内されます。
今公演は対面に設置されたもう一つの客席で、小劇場演劇を観劇する6人のお客様をご覧いただきます。
どなた様も観劇ルールを守って、目の前の「6人の悩める観客」をごゆっくりとお楽しみください。
【観る前の印象】
芝居を観る人を観る?
なんじゃそりゃ?それで二時間も持つのか?
そもそも面白いのか?
【観た後の感想】
皆さんは、演劇が好きですか?いや、観劇は好きですか?
答えてもらう必要はありません。
このブログにたどり着いて、この文を読んでいる時点で答えは決まっています。
この作品は観劇好きにこそ見てほしい作品です。自信をもっておすすめします。
そして、演者、もしくは製作として演劇に関わったことのあるあなた。
そう、あなた。
おすすめです。重箱の隅をつつくような小ネタに笑い、時にジクジクと胸が痛むことでしょう。
舞台上には、段々にパイプ椅子が並べられ、その上にはビニールに包まれた紙束が置いてある。
座席です。小劇場の観客席が舞台上にあるのです。
こちらの観客席から見てちょうど対面に観客席があることになります。鏡を見ているようで少し気味が悪い。
開演と同時に続々と観客が席についていきます。
観客数は6人。それぞれがフライヤーを眺めたりスマホをいじったり(芸が細かい!)しながら開演を待っています。
やがて前説が行われて開演。劇中劇が始まります。
開始5分。なかなか動きがない。
観客達は私語をしているが、台詞としてこちらには聞こえてこない。
そりゃ観劇中に大きな声で話したり動いたりする人はいないだろうが、さすがにこっちも退屈してくる。
一人あくびをした。
一人座りなおした。
一人咳払いした。
こちらも同じ動きをしていると観客に動きがあった。
一人があくびをすると一人が追いかける。さらにもう一人が…といった具合に動きが少しづつシンクロし、一つの大きなダンスになった。
あぁ。壱劇屋だ…(今更)
そこからは一瞬だった。奇抜すぎる登場人物と小劇場あるあるを交えた奇妙な脱出劇。文句なしに面白かった。
しかし今回はそれだけではない。
今回劇中で上演しているのは「裸の王様」。
このテーマ選びがニクい。劇中で悩み苦しむ王様にかなり共感できた。僕は裸ではないが。
王様も劇団も、ついてきてくれる人がいなければ存在できない。
かといってその人達に媚びへつらうだけでいいのでしょうか。
自分のアイデアを世界に発信する。誰にも干渉されたくはない。しかし誰にも理解されない独りよがりなアイデアに何の意味があるというのか。
これから王国を築こうとしている人、すでに王国を治めている人。
この作品を観て、こんな答えのない問いに(いい意味で)苦しんでみてはいかがでしょうか。
今回は演劇関係者と観劇上級者向けとかなり初心者にやさしくないレビューをしましたが、それを抜きにしても面白い作品であることは間違いありません。是非見てほしいです。
笑える度 ★★★★☆
余韻度 ★★★★☆
世にも奇妙な創作度 ★★★★★
【こんな人におすすめ】
・観劇が好きな人
・芝居を作ったことがある人
・現在、脚本を書いている人
【観劇三昧クイズ】
お待たせしました。観劇三昧クイズです。
Q.今回の日替わりゲストがこの公演に来るために利用した乗り物は?
マニアックを通り越して重箱の隅をつつくような出題です。
正解者は何人出るでしょうか。心配です。
6人の悩める観客 (大阪公演)
作品データ
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・作・演出
大熊隆太郎
・会場
大阪私立芸術総合館 (大阪公演)
京都市東山青少年活動センター(京都公演)
・日程
2013/10/11(金) ~ 2013/10/27(日)
・キャスト
安達綾子/大熊隆太郎/河原岳史/小刀里那/竹村晋太朗/坪坂和則/西分綾香/丸山真輝/丹下真寿美
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