スタッフの坂巻です。
過ごしやすく色んなことがしたくなる日々が続いていますが、皆さま観劇体験は足りていますか?
サブスク配信ではどこでも劇を観ることができますよ✨✨
さて、さっそく先週の新作をご紹介してまいります!

先週1週間で観劇三昧で配信された作品は5団体5作品
そのうち2団体は新着劇団です。お楽しみください。

※劇団・カンパニー名をクリックすると、その劇団・カンパニーの作品一覧へ、
作品名をクリックすると、作品詳細画面へジャンプします。

11月1日 13:00~配信開始

劇団三毛猫座

(第六回本公演)アンドロイドは毒をも喰らう

<strong演出:neco/脚本:諏訪原早紀

 

【あらすじ】

「僕たち、そしてわたしたちは
アンドロイドであったこと、アンドロイドでなかったこと、忘れる事はないでしょう
さようなら!さようなら、さようなら、さようなら…」

名もない教室、並んだ8台のアンドロイド。
今日も、休み時間は繰り返される。
この時間は、この空間は、一体いつまでつづくのだろう。

9台だったはずのアンドロイドが1台、クラスから逃げ出した。
『女王』役のディアマンテの頬を殴って。
そこへ、まるでその穴を埋めるようにやってくる転校生・クラリカ。
彼女は言う、『私は、人間です』と。

逃げたルースはどんな台詞を語り、なぜ女王に謀反を起こしたのか。
8台のアンドロイドは次第に人間という『バグ』によって狂わされてゆく…。

クラス全員がアンドロイドという“設定”で、プログラムされた通りの休み時間を繰り返し続けている、女子高校生たちの多視点群像劇。
2018年初演の劇団代表作が再演。

【キャスト】

宮本結妃/大塚哲/中村千奈美(ゲキゲキ/劇団「劇団」)*/山中麻里絵*/つちはしゆう奈*/もりたまゆこ/阿僧祇(白河夜船)*/ /柴田奈緒/綾乃/大﨑緑* *…客演


11月1日 18:00~配信開始

★新着劇団

シガール姉妹

おやすまなさい

演出:宮部純子/劇作家:前田司郎

 

【あらすじ】

【EPAD】

おやすまなさいは眠りたい人と寝て欲しくない人の話で、それは死にたい人と死なないで欲しい人の話でもあり、男とか女とか、年齢とか、そういうこと関係なくただそれだけをやりたいと思って書いた戯曲です。(前田司郎)

EPAD・・・「緊急舞台芸術アーカイブ+デジタルシアター化支援事業」
(文化庁「文化芸術収益力強化事業」)の略称です。
本サイトでは、同事業において、新旧の舞台芸術の映像を配信できるように権利処理した作品に【EPAD】の印をつけています。

【キャスト】

椎橋綾那/宮部純子

11月1日 18:00~配信開始

★新着劇団

ムニ

回る顔

脚本・演出:宮﨑玲奈(ムニ・青年団)

 

【あらすじ】

【EPAD】

人は何によってできているのだろう。自分ではない「誰か」として、ぼろぼろ忘れながら、忘れ物を毎日しているような気分で生きている気もする。他者の知覚を追体験することはできるのか。「痕跡」「傷」について、顔を巡る旅をします。映像撮影に小宮山菜子さんを迎えての無観客配信作品です。

EPAD・・・「緊急舞台芸術アーカイブ+デジタルシアター化支援事業」
(文化庁「文化芸術収益力強化事業」)の略称です。
本サイトでは、同事業において、新旧の舞台芸術の映像を配信できるように権利処理した作品に【EPAD】の印をつけています。

【キャスト】

黒澤多生(青年団)/南風盛もえ(青年団)/藤家矢麻刀/宮﨑玲奈


11月4日 11:00~配信開始

劇団キンダースペース

ポー、大鴉の夜、あるいは私達の犯罪

<strong原作:エドガー・アラン・ポー/構成・演出:原田一樹

 

【あらすじ】

舞台はポーの実人生と創作を往復する。1849年10月ボルティモア。ここはポーの従妹ヴァージニアと出会った所。結婚を約し、その死を夢想し「べレニス」を書き、小説を辿るように妻は死ぬ。白い歯で微笑む花嫁べレニス。「私」の手には彼女の歯が残る。
彼を見下ろす同じ服装の「ウィリアム・ウィルソン」。
飲んではならない酒に手を出せば、酒樽の上には「黒猫」。
濃霧の中、アッシャー家の屋敷を訪れるポー。アッシャーは一卵性双生児の妹を生きながら埋葬している。扉が開き、光の中には女の影。「アッシャー家の崩壊」を目の当たりにしたポーは、ベンチの上で屍となる。

【キャスト】

瀬田ひろ美/古木杏子/深町麻子/森下高志/榊原奈緒子/林修司/関戸滉生/坂本奈都実/宮西徹昌/岡田千咲/杉山賢/西本亜美/伊藤勉(劇団文化座)/沖永正志(劇団文化座)/山本明寛(スターダス・21Neu)


11月7日 19:00~配信開始

箱庭円舞曲

父が燃えない

原作・脚本・演出:古川貴義

 

【あらすじ】

現代、会津若松市の火葬場、待合室。
市営の火葬場は市街地から離れた辺鄙な場所にあり、訪れる人が居なければ職員も出てこない。
よく言えば静謐な空間である。人の出す音よりも、虫や風の音の方が姦しい。

遺体が燃え尽きるのを待つ人々は、故人の思い出を問わず語りに語り合う。一体どんな人間だったのか、何をして、何をしなかったのか。父母や親族との関係、友人との交流、家族との珍事。故人がどういう人間だったかを、それぞれが勝手に語り尽くす。語っても語っても出てくる、出てくる、また戻る、同じ話が繰り返される、捉え方が人によって微妙に違っている、でも答えは分からない、故人しか分からない。同じとき、同じ場所で、同じ時空を共有していたはずなのに。あの人はあの日、何を考えていたんだろう。

遺された私たちには、想像することしかできない。

【Introduction】
自分のことを書こうと思ったら、他人の話ばかりになってしまう。毎回そうなのだ。箱庭円舞曲の台本を書くときは、自分の内側にある、現代社会の中で生きていくために発生する、切実なわだかまりを描こうとする。誰かとの軋轢、誰かとの齟齬、誰かとの不和、摩擦、確執、対立、葛藤。自分を描くためには、常に誰かが必要になる。それは、そうなのだ。自分が自分であるということは、自分だけでは担保できない。あなたがあなたであることを認めてくれるのは、あなた以外の誰かなのである。回りに誰かがいるから、あなたはあなたでいられる。だから、必死で自分のことを書こうと思っても、他人の話にばかりなってしまっていた。
そういうことなのだろう。

ならば。私を、私として最初に認めてくれたのは、誰なのだろう? 両親のどちらかである可能性が高い。生まれてきた瞬間を見た、ということであれば、母よりも助産師や医師が先になってしまう。それでは味気ない。では命名してくれた瞬間だとしたらどうだろう。私の名前を付けてくれたのは、父だ。あの父のことだから、私がまだ母の胎内にいるうちに、考えに考えて決めてくれていたはずだ。祖父の名前から一文字受け継いでいた父は、同じ一文字を私にも受け継がせた。私も子を持つことになったら、その一文字を引き継ごうと思ったこともあったが、やめた。一文字あろうがなかろうが、家族は家族、血縁は血縁だ。

そんな風にして、父の話になった。父は、福島県耶麻郡磐梯町大字更科字大曲で生まれ育った。1950年8月4日に生まれ、2017年12月29日に死んだ。享年68歳。友人も多く親戚づきあいもまめだった父の葬儀には、たくさんの人が訪れ、香をあげてくれた。一介の地方公務員の葬式にしては、盛大だったと思う。長くはないかもしれないが、濃い生涯だったのではないだろうか。若かりし頃は宮沢賢治に憧れ、詩作を志し、芝居にも片足突っ込んでいたらしい。自分が演劇なんぞを始めてから、叔父から聞かされた。驚いた。我がことを我が子に語らない父だった。戒名は「堅峰直英清居士」になった。私に引き継がれた一文字は、含まれていない。

一度、父の話を書いたことがある。2011年9月に、日本劇団協議会主催で上演していただいた『父が燃える日』という作品である。還暦を迎える父を労おうと、子供たち三人で家族旅行を計画し訪れた旅館での、数日間の物語だ。もちろんフィクションだが、前年の夏、父を実際に還暦旅行に連れ出しており、「もしもあの時、実はこうだったら?」「もしもあの時、こうなっていたら?」と妄想を膨らませながら書き上げた記憶がある。この公演は、あまり私の芝居を観に来なかった父が、珍しく観に来てくれた。自作を観てもらったのは、10年ぶりくらいだったと思う。観終わっての感想は、ほとんどなかった。こちらも恥ずかしくて照れ臭くて、ちゃんと聞こうとしなかった。聞きたくても聞けない今となっては、後悔するほかない。父は、あの作品のことをどう思っていたのだろうか。父は、私のことをどう思っていたのだろうか。

私を人間として最初に認めてくれた彼を燃やしながら、こんなことばかり考えている。人間は、なかなか燃えてくれないものだ。

箱庭円舞曲 代表 古川貴義

【キャスト】

白勢未生/相馬圭祐/林和義(VAICE★)/小暮智美(青年座)/安川まり/片桐はづき/井上裕朗(DULL-COLOREDPOP)/小山貴司/秋本雄基(アナログスイッチ)/古川貴義


 
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