~”天ナス”が起こした奇跡。失いかけた声を武器に、舞台へ。~
2026年が始まったと思ったら、もう1か月が過ぎようとしている…⁉
驚きを隠せない観劇三昧スタッフです。
みなさま、今年は充実した観劇の年になりそうでしょうか?
2026年もたくさん上演される作品やあたたかな劇団の方々と、お客様との出会いを少しでも増やしたい!
そんな思いから、弊社提供アプリ「チラシ手帖」に掲載公演団体の方々のお声を、インタビュー形式でお届けします👏
様々な演劇作品や劇団を取り扱う観劇三昧だからこそ聞ける、あんな話やこんな話…
ぜひ楽しんでいってくださいね♫
記念すべき第1回目のご紹介は…
「犬儒派リーディングアクト」より、主宰・天才ナカムラスペシャルさん!
【犬儒派リーディングアクト プロフィール】
役者・アーティストとして活動する天才ナカムラスペシャルが主宰。2022年結成。
2020年にステージ4の咽頭がんを宣告されながらも、4度の大手術と壮絶な闘病生活を経たのち奇跡的に声を取り戻した天才ナカムラスペシャルが、 “声による表現”を改めて模索する実験的朗読ユニット。
こちらで詳しくチェック!
【主宰・天才ナカムラスペシャル プロフィール】
1968年生まれ。日本大学藝術学部演劇学科出身。
役者として多数の舞台・映像作品に出演。
1999年より「天才ナカムラスペシャル」の名でアート活動を開始。
以後、役者・アーティストとして活動。
2020年、ステージ4の咽頭がんを宣告される。4度に及ぶ大手術の末、一命を取り留め、奇跡的に声を取り戻す。
2021年、コント赤信号の小宮孝泰氏とともにトークライブを行い舞台復帰。
“声による表現”を改めて模索すべく、2022年より「犬儒派リーディングアクト」を主宰。
こちらで詳しくチェック!
プロフィールの時点で気になること、聞きたいことが山ほど…
ご安心ください。2回にわたって、ゆっくりお届けいたします☕
天才ナカムラスペシャルさんは、普段「天ナス」と呼ばれているとのことで、親しみを込めてそう呼ばせていただきます。秀逸なあだ名ですね!
天ナスさん、よろしくお願いします♫
前半は、天ナスさんが劇団を立ち上げるまでのお話を中心に。
後半は、チラシ手帖にも掲載の次回公演「プロセルピナ」のお話や、今までの劇団の活動についての記事を公開予定です。
さっそく参りましょう!
神様がきっと「もっともっと喋れ!」と言ってくれているに違いない。
―― 日本大学芸術学部演劇学科ご出身の天ナスさん。
演劇を志すきっかけは、何かありましたか?
天才ナカムラスペシャルさん(以下、天ナス):もうずいぶん昔の話なのであまり覚えていませんが…(笑)
高校生の頃、友だちが全然いなくていつも一人でした。
暗くておとなしくて内向的な、目立たない高校生でした。
それで、町田の高校に通っていたのですが、学校の帰りに小田急線の下北沢駅で降りて、一人でフラフラと制服のまま小劇場の芝居を観に行ったりしていました。
当時はいわゆる“第三次小劇場ブーム”と言われていた時代で、やっている人たちは自分よりもちょっと上の世代の人たちだったのですが、その人たちがすごくキラキラ輝いて見えました。
芝居の内容なんてまったくわかりませんでしたが、きっとあっちの世界へ行けば今とは違う自分になれるのではないか、あの人たちみたいにキラキラ輝けるのではないか、そんな淡い憧れがあったのだと思います。
それで、気づけば日芸の演劇学科に入っていました。
――下北沢の小劇場に足を運ばれていたとのこと!
劇場での観劇の余韻、舞台に立っている方のキラキラを浴びた時の感動…何にも代え難いものですよね。
観劇三昧の実店舗も、劇場を訪れるお客様が余韻やワクワクが冷めないままふらっと立ち寄れるように、下北沢で営業をしておりました!(※現在休業中)
舞台に立つ人の中には、天ナスさんと同じように「違う自分」になれるのが癖になっている人も多いと思います。お客様の中でスポットライトを浴びているあの瞬間、自分という人間や日常を脱しているような。
こちらも他ではなかなか味わえない気分ですね。
続いての質問に参りましょう!
―― 一度アーティストでの活動を経て、また舞台や映画に関わるようになったのはなぜでしょうか?心境の変化などありましたか?
天ナス:演劇を始めた当初はある劇団に所属していたのですが、そこを辞めてからはフリーになって、だいたい年に4本くらいのペースでいろいろな劇団やプロデュース公演に参加していました。そうしているうちに、これは今思えば非常にひねくれた考え方なのですが、演出家の描きたい世界を構築するための単なる駒として扱われていることに嫌気がさしてきたのです。
今はそんなことありませんが、当時はひどい天邪鬼だったもので…(笑)
あと、団体活動に疲れてしまって、一人で出来る表現活動に魅力を感じるようになりました。それで、しばらく演劇の世界から離れて、絵を描いたり個展をやったり、アーティスト活動をしていました。
それから、その数年後にまた役者として舞台や映画に関わるようになるのですが、何か心境の変化があったとかそんな大げさなことではなくて、ただ単に一人での表現活動が寂しくなったからです。結局、本当はただの寂しがり屋なのです(笑)
―― 団体での活動が少し難しくなってしまったのですね…!
たしかに、様々な境遇の人たちが集まる「劇団」での活動や「俳優」としての立ち位置については、今の演劇界を生きる人たちにとっても悩めるテーマであり、一つの課題かもしれません。同じような思いをしている方もいらっしゃるのではないでしょうか?
ただ、演劇・舞台芸術には様々な形があるので、天ナスさんのように一人で表現するもよし、何か仲間と作りたくなったらそれもよし、ですね!
―― 2020年にステージ4のがん宣告。三度もの大手術を経て、2021年にはトークライブで表現者として舞台に返り咲き…闘病生活だけでも計り知れない大変さだったかと存じますが、どのような想いで舞台復帰を決められたのでしょうか?
天ナス:あれはたしか2021年の夏頃です。
ちょうど咽頭がんの再々発が見つかり、三度目の手術が決まった頃。
昔から大変お世話になっている先輩、コント赤信号の小宮孝泰さんからご連絡がありました。小宮さんは奥様をがんで失くされていることもあり、がん発覚当初から私のことを大変気にかけてくれていました。そして小宮さんのご提案で、三回目の手術が終わって退院したら、二人でがんに関するトークライブをやろうということになりました。
そして2021年10月、そのトークライブで舞台復帰をしました。がん関係のトークと言っても、小宮さんもお笑い出身の方だし、決して堅苦しいものではなく、入院中の様々なエピソードを面白おかしく話したり、小宮さんが落語を披露したり、笑いの絶えないライブになりました。
(左:天才ナカムラスペシャル、右:小宮孝泰)
そして、その時に思いました。自分はステージ4の咽頭がんで、当初は声帯も含め喉を全摘出しなければ助からないと言われ、声を失う覚悟をしていたのに、それが今こうして、自分の声が蘇り舞台に立てている。これはまさに奇跡で、神様がきっと「もっともっと喋れ!」と言ってくれているに違いないと。
―― 天ナスさんのあきらめない姿勢や、今まで培われてきた人脈があっての奇跡的な復活…
再び舞台に立てたトークライブをきっかけに、またも舞台の魅力を感じられた天ナスさん。
失うと思われていた声までも蘇り、ある種使命のような決意だったのですね。
☆次回公演「プロセルピナ」にもご出演、天ナスさんとは3回目のご共演!渡辺正行氏・ラサール石井氏と結成したコント赤信号・小宮孝泰さんのプロフィールはこちら。
「今観ておかないと天ナスがもうヤバいらしいから!」なんていうお客様もいて。
今では純粋に作品の内容が評価され、これでようやく“スタート地点に立った” という感覚。
(前回公演「桜の園のNANA」より)
―― 声を失うとまで言われていた天ナスさんが「声による表現」を模索するため、犬儒派リーディングアクトの主宰へ。
劇団を立ち上げるにあたっての壁はありましたか?
天ナス:とくに何か壁を感じるということはありませんでした。
それよりも、闘病中から支援してくれていた友人たちや応援してくれた皆様への感謝の想いでいっぱいでした。朗読劇を通じて皆様へ、「おかげ様でここまで元気になりました!」と伝えることで精いっぱいでした。
―― まずは、天ナスさんが舞台に立つことで安心されたお客様も多そうですね。
そういった意味でも舞台に帰ることができたのは、とても意味のあることだったのではないでしょうか。
―― 劇団を始めてから公演は10回超。
ご自身の体力や、パフォーマンスについてはいかがですか?
天ナス:体力的にはまったく問題ありません。
また声については、犬儒派リーディングアクトの公演が良いリハビリになっているようです。普段は家にいても一人で、ほとんど誰ともしゃべらず、そうするとすぐに声が出づらくなってしまうのですが、定期的に公演や稽古があると、否応なく発声する機会が増え、しかも地声だけじゃなくて、老人をやったり女性や子供をやったり、時には動物をやったり、様々な声色を使うので、それがとても良いリハビリになっているのだと思います。
―― なんとリーディングがリハビリに!
適度に声を発することも大事なのですね。普通に生活していたら子供や動物の声を発することもないですからね…「何にでもなれる」演劇のすごさを改めて感じます(笑)

(前回公演「桜の園のNANA」より)
―― 劇団を立ち上げる前と後で、想像と違ったことはありますか?
天ナス:まず一番予想していなかったことは、四年間で10本も新作を上演できたことです。
当初は本当に、私の復帰作としての一回限りのお披露目公演のつもりでした。
ここまで続けてこられたのは、作品を評価してくださったお客様方のおかげです。
本当に感謝しています。
―― そんなお客様方からの反応は、具体的にどのようなものですか?
天ナス:立ち上げから何作かは、「天ナスが復帰したから観に行ってやろう!」というお客様が多く、また中には「今観ておかないと天ナスがもうヤバいらしいから!」なんていうお客様もいて、こう言っちゃナンですが、「がん」で引っぱっていたようなところもあるのですが…
ここ2年ほどは私ががんだったことなど皆もうすっかり忘れてしまい、純粋に作品の内容が評価され、足しげく観に来てくださる方が増えました。
これでようやくスタート地点に立ったという感覚です。
―― 病気のことも忘れさせるような力強い天ナスさんのパフォーマンス。
作品が純粋に評価されるのは、舞台を創る上で大きな意味を持つと思います。
そんな作品の雰囲気は、こちらでのぞき見できるみたいですよ!
―― 出演者の方からはいかがでしょう?
天ナス:出演者に関してはここ数年、「出たい!」「出してくれ!」と言ってくださる方が増えて、それも自分よりキャリアがある先輩格の、例えば小宮孝泰さんもそうですが、劇団スタジオライフの藤原啓児さんとか、そんな人たちからの逆オファーがあり、本当にうれしい限りです。
最初の頃は出てくれる人が誰も見つからず、公募で選んだ人に出てもらったりしていたのですが、最近はもうその必要がなくなりました。
ただし一度に出演できる人数も限られていますので、せっかく「出たい!」と言ってくださった先輩を “順番待ち” みたいな状態にさせてしまい、その点は大変申し訳なく思っています。
―― 先輩方をも “順番待ち” にさせてしまう犬儒派リーディングアクトへの出演。
いかに魅力的な公演か、さらに気になってきましたね…
と、公演のことをもっと知りたくなったところで、今回はここまで!!
次回は、犬儒派リーディングアクトがどんな公演を上演しているのか、2月上演の「プロセルピナ」についても詳しくお伺いします!
ここまでインタビューを読んで、次回公演が気になった方はひと足先にこちらで予習をどうぞ。
公演日が迫っていますので、ご予約はお早めに💨
次回も近日公開予定!お楽しみに♫
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