さて、観劇三昧2024年8月19日~9月2日のラインナップをご紹介いたします。
8月19日から9月2日までに観劇三昧で配信された作品は6団体10作品。
そのうち2団体は新着劇団。2作品は個別購入作品です。お楽しみください。
※劇団・カンパニー名をクリックすると、その劇団・カンパニーの作品一覧へ、
作品名をクリックすると、作品詳細画面へジャンプします。
8月22日 11:00~配信開始
★サブスク配信作品
アガリスクエンターテイメント
なかなか失われない30年
作・演出:冨坂友
【あらすじ】
いいから立ち退いて!?
1994年4月30日、新宿区歌舞伎町のカワダビル4Fにある闇金業者のオフィスでは、売上金を紛失した従業員が穴埋めのため奔走していた。
2004年4月30日、新宿区歌舞伎町のカワダビル4Fにある風俗店の待機部屋では、女性達が「絶対に接客したくない人物」を押し付け合う会議をしていた。
2014年4月30日、新宿区歌舞伎町のカワダビル4Fにある小劇場の楽屋では、痴情のもつれで出演者が多数降板した中、残った者達が上演を強行していた。
2024年4月30日、新宿区歌舞伎町のカワダビル4Fにある劇場跡地を片付けているビルオーナーの目の前に、全ての時代が同時に現れた。
アガリスクエンターテイメントの第31回公演は、移り変わりの激しい新宿の雑居ビルを舞台に、平成から令和のさまざまな場面を一部屋にムリヤリ押し込んで総括する、時間混在コメディ。
【キャスト】
伊藤圭太/淺越岳人/山下雷舞/古谷蓮/北川竜二/矢吹ジャンプ(ファルスシアター)/榎並夕起/雛形羽衣/鹿島ゆきこ/兼行凜/斉藤コータ(コメディユニット磯川家)/江益凛/前田友里子/菊池泰生
8月25日 18:00~配信開始
★サブスク配信作品
ミズタニ会議
十字路
作・演出:水谷健吾
【あらすじ】
「思い出と引き換えに名曲を与えてくれる」そんな噂が立つ十字路へ、新進気鋭のバンドグループがやってくる。彼らの物語は交錯する。令和と平成が同時に描かれる古アパートの物語と。テレビへの出演をかけた腹話術師たちによる蹴落とし合いの物語と。一人の精神科医が体験する奇妙な物語と。
4つの物語が十字路のように重なり、その中心で悪魔が笑う。ミズタニ会議が送る連作短編集、第3弾!!
【キャスト】
秋月はる華/安澄かえで/稲村幸助(YSKプロダクション)/太田純平 (遅咲会)/鈴木彩愛(ラビット番長)/田中龍都(合同会社MHM)/富高亮平(ユースプロダクション)/仲谷憲(ATGファクトリー)/原田萌(アクロスエンタテインメント)/真僖祐梨@遅咲会/藤野真梨亜(タックエンターテイメント)/水谷 悠樹/森さとる(東宝芸能)
8月26日 19:00~配信開始
★新着劇団
★個別購入作品
A Ladybird Theater Company
テロリストのラブレター
7日プラン ¥500
365日プラン ¥2,000
脚本・演出:箱崎貴司
【あらすじ】
国家に捨てられた者は復讐を誓い、テロリストとなった。
そんなテロリストと共に行動する少女が1人。
彼女の存在がテロリストの心に変化をもたらしていく。
復讐か?少女の安寧か?
大統領の拉致を計画したテロリスト達は、大統領に何を語るのか?
【キャスト】
村越勇一・箱崎貴司・伊藤直行・菊地陽哉・泉田風香・白鹿リオ・紗也香・佐藤未来・増田淳・いろは(以上、A Ladybird Theater Company)/山根あん・曽根詠太・山口唯緒(以上、テアトルアカデミー仙台)/武田らこ(Team HacCLose)/鶴英里子(演劇ユニット弐十壱鶴堂)/上島奈津子・渡邉悠生・橋浦あやの・松崎太郎(以上、フリー)
8月29日 12:00~配信開始
★新着劇団
★個別購入作品
荒尾総合文化センター
朗読劇 カウンティング&クラッキング
30日プラン ¥1,000
作:S.シャクティダラン/翻訳:佐和田敬司/演出:和田喜夫
【あらすじ】
2004年、シドニーで暮らすシダータはいまどきのオージーの大学生で、スリランカ系だが故国とのつながりは途絶えている。しかしスリランカ内戦で行方知れずになっていた父が生きていることを告げる1本の電話によって、シダータと母ラーダは、過去のスリランカと家族の歴史へと引き戻されていく。
【キャスト】
青野大輔(非・売れ線系ビーナス、万能グローブ ガラパゴスダイナモス)/あとぜき白川/荒木宏志(劇団ヒロシ軍)/有門正太郎(有門正太郎プレゼンツ)/石井七実/川原彩音(学生演劇集団「らんば」)/江田凜(ありあけ演劇堂)/上妻利博/此嵜ガラ/古賀今日子(yum yum cheese!)/木竹広賢(劇団ウィズラン)/杉野眞紀/立石義江/寺田剛史(飛ぶ劇場)/中井康雅/中川阿子(ありあけ演劇堂)/西川晃輔(インプロ佐世保)/政木ゆか/松岡優子(yum yum cheese!/jellyfish/MASH)/松永檀/村上差斗志(FOURTEEN PLUS 14+)/安田曜/山口歩睦/山口大器(劇団言魂)/ミュージシャン:サトウダイ(jellyfish)
8月31日 11:00~配信開始
★サブスク配信作品
ホエイ
スマートコミュニティアンドメンタルヘルスケア
作・演出:山田百次(ホエイ|劇団野の上)
【あらすじ】
一人の妄想が引き起こした集団ヒステリー。戦慄の再演。
河の上中学校は複式学級。生徒が少なく、全学年が一つのクラス。少人数ならではの、ほのぼのスクールライフ。 担任の先生は新採用。いつも優しく、時には熱血指導。そんな中、学校間交流から帰ってきたアイツ。覚えてきたばかりの楽しい遊びを、学校のみんなに教えてあげる。
【キャスト】
大竹直(青年団)/斉藤祐一(文学座)/鈴木智香子(青年団)/武谷公雄/永宝千晶(文学座)/赤刎千久子(ホエイ)/河村竜也(ホエイ|青年団)/山田百次(ホエイ|劇団野の上)
8月31日 11:00~配信開始
★サブスク配信作品
演劇/微熱少年
構造なり力なり version 1
作・演出:加藤真史
【あらすじ】
大人気覆面マンガ家・夢宮鈴世が亡くなった。連載中の『スパ戦士グローカスの娘』が多額の制作費・宣伝費をかけてアニメ化されネット配信されるのを直前にして担当編集者・大庭津奈子(おおばつなこ)は死因含めその事実を伏せ、チーフアシスタントだった申徹(さるとおる)に夢宮鈴世として描き続けるよう依頼する。しかし、自らも漫画家として独り立ちしたい申徹は釈然としない。交換条件としてプロジェクト終了後、自分の名義で作品発表を願い出るが、その作品に致命的な欠陥が見つかり断念。申徹は夢宮鈴世として描くことを了承する。大庭が元漫画家の三原風子(みはらふうこ・PNフーコー三原)だったことが露呈し、現在は編集者としてAIを駆使し多くの人気作を担当する仕組みが明かされる。申徹の作家としての実存性と、出版や創作をめぐる構造が対立する。
【梗概】
浅田彰の『構造と力』について、東浩紀が自著『存在論的、郵便的―ジャック・デリダについて』を踏まえながら「哲学は終わってるから、(浅田さんは死んだ哲学の)死体解剖をやった。死んじゃったってことを分からせるた為に『構造と力』とかを書いた。ほら見ろこんなもんだ、こんなことをまだお前らはやってるんだ、要約すればこんなもんだと。ところが何か知らないけどブームになって、そこに若者がばーっとついてきちゃった。浅田さんはニューアカブームみたいなのをすごく馬鹿にしてたと思う。でも他の人達は勘違いして、なんかもう一回哲学ってすごく盛り上がってるんじゃないかと思って……」と解説していました。同じような構造のトレースはどこにでもあって人文科学系の創造についての「言い換え」はたくさんあるように思われたのです。とくに、漫画・コミックについて、紙の雑誌という流通や経済の構造があって発生した表現が、媒体がWebなどの電子媒体に代わっても表現が本質的に変容していないことに興味を持ったことで、そのスケッチを試みたのが本作となります。登場人物名はその思考枠組みと劇中のファンクションを重ね合わせて、サルトルやフーコーらのアナグラムやもじり。
【キャスト】
小池舞/久保田雅彦
★サブスク配信作品
構造なり力なり version 2
作・演出:加藤真史
【あらすじ】
大人気覆面マンガ家・夢宮鈴世が亡くなった。連載中の『スパ戦士グローカスの娘』が多額の制作費・宣伝費をかけてアニメ化されネット配信されるのを直前にして担当編集者・大庭津奈子(おおばつなこ)は死因含めその事実を伏せ、チーフアシスタントだった申徹(さるとおる)に夢宮鈴世として描き続けるよう依頼する。しかし、自らも漫画家として独り立ちしたい申徹は釈然としない。交換条件としてプロジェクト終了後、自分の名義で作品発表を願い出るが、その作品に致命的な欠陥が見つかり断念。申徹は夢宮鈴世として描くことを了承する。大庭が元漫画家の三原風子(みはらふうこ・PNフーコー三原)だったことが露呈し、現在は編集者としてAIを駆使し多くの人気作を担当する仕組みが明かされる。申徹の作家としての実存性と、出版や創作をめぐる構造が対立する。
【梗概】
浅田彰の『構造と力』について、東浩紀が自著『存在論的、郵便的―ジャック・デリダについて』を踏まえながら「哲学は終わってるから、(浅田さんは死んだ哲学の)死体解剖をやった。死んじゃったってことを分からせるた為に『構造と力』とかを書いた。ほら見ろこんなもんだ、こんなことをまだお前らはやってるんだ、要約すればこんなもんだと。ところが何か知らないけどブームになって、そこに若者がばーっとついてきちゃった。浅田さんはニューアカブームみたいなのをすごく馬鹿にしてたと思う。でも他の人達は勘違いして、なんかもう一回哲学ってすごく盛り上がってるんじゃないかと思って……」と解説していました。同じような構造のトレースはどこにでもあって人文科学系の創造についての「言い換え」はたくさんあるように思われたのです。とくに、漫画・コミックについて、紙の雑誌という流通や経済の構造があって発生した表現が、媒体がWebなどの電子媒体に代わっても表現が本質的に変容していないことに興味を持ったことで、そのスケッチを試みたのが本作となります。登場人物名はその思考枠組みと劇中のファンクションを重ね合わせて、サルトルやフーコーらのアナグラムやもじり。
【キャスト】
小川朋珠/芦塚諒洋
★サブスク配信作品
構造なり力なり Remix
作・演出:加藤真史
【あらすじ】
大人気覆面マンガ家・夢宮鈴世が亡くなった。連載中の『スパ戦士グローカスの娘』が多額の制作費・宣伝費をかけてアニメ化されネット配信されるのを直前にして担当編集者・大庭津奈子(おおばつなこ)は死因含めその事実を伏せ、チーフアシスタントだった申徹(さるとおる)に夢宮鈴世として描き続けるよう依頼する。しかし、自らも漫画家として独り立ちしたい申徹は釈然としない。交換条件としてプロジェクト終了後、自分の名義で作品発表を願い出るが、その作品に致命的な欠陥が見つかり断念。申徹は夢宮鈴世として描くことを了承する。大庭が元漫画家の三原風子(みはらふうこ・PNフーコー三原)だったことが露呈し、現在は編集者としてAIを駆使し多くの人気作を担当する仕組みが明かされる。申徹の作家としての実存性と、出版や創作をめぐる構造が対立する。
【梗概】
浅田彰の『構造と力』について、東浩紀が自著『存在論的、郵便的―ジャック・デリダについて』を踏まえながら「哲学は終わってるから、(浅田さんは死んだ哲学の)死体解剖をやった。死んじゃったってことを分からせるた為に『構造と力』とかを書いた。ほら見ろこんなもんだ、こんなことをまだお前らはやってるんだ、要約すればこんなもんだと。ところが何か知らないけどブームになって、そこに若者がばーっとついてきちゃった。浅田さんはニューアカブームみたいなのをすごく馬鹿にしてたと思う。でも他の人達は勘違いして、なんかもう一回哲学ってすごく盛り上がってるんじゃないかと思って……」と解説していました。同じような構造のトレースはどこにでもあって人文科学系の創造についての「言い換え」はたくさんあるように思われたのです。とくに、漫画・コミックについて、紙の雑誌という流通や経済の構造があって発生した表現が、媒体がWebなどの電子媒体に代わっても表現が本質的に変容していないことに興味を持ったことで、そのスケッチを試みたのが本作となります。登場人物名はその思考枠組みと劇中のファンクションを重ね合わせて、サルトルやフーコーらのアナグラムやもじり。
【キャスト】
小池舞/小川朋珠/久保田雅彦/芦塚諒洋
★サブスク配信作品
『小医癒病』中医癒人大医癒世
作・演出:加藤真史
【あらすじ】
2006年6月、沼田中央病院では7名の研修医たちが医師としての基礎的な能力を身に着けるため日々切磋琢磨している。1年目研修医たちはそれぞれの技術習得に夢中、2年目研修医はそろそろ研修終了後の進路も気になり始めている。この病院には地域医療の分野で有名な若月医師が在籍しており、研修医たちは彼に憧れている者も多い。ある日、2年目研修医杉下が当直研修明けの朝、研修病院探しのための診療参加型医療実習「クリニカルクラークシップ」に参加するため医学生松井敬がやってくる。医療者にとっては日常になってしまっていることが松井にはまだ珍しい。そんな松井の素朴な疑問や驚きが池に投げられた小石が起こす斑紋のように研修医たちの間に静かな波を起こす。育児休暇明けの事務担当者福嶋則夫はそんな研修医たちに寄り添おうと必死になり、週末予定されている研修報告発表会での朗読劇の準備を進める。そんなとき、大学病院の研修プログラムで来ている2年目研修医山城の実家に病院上司を名乗る者から電話が入る。山城の母は慌てて研修先である沼田中央病院連絡先を伝え、その電話が福嶋につながる。福嶋は詐欺を見抜き事なきを得るが、山城は日頃から疎外感を感じているところにちょっとした騒動になってしまったことに引け目を感じる。やがて病院長と看護部長も一緒に朗読劇の練習が行われる。研修医も医学生も医療が直面する現実に対峙し、それを日常としていく心構えと覚悟を経験の中から見つけ出そうとしていく。そんな時、ある患者さんが自分の「最期」について語ったことに彼らは答えを出せずにまた悩むことになるのだが、指導医の一人で福嶋則夫の妻である雪子の何気ない一言に答えへの手掛かりを得ることになる。
【キャスト】
新井聖二/成澤陽子/入内島優奈/村山朋果/赤井那帆/武藤真大/木田恭平/佐藤壮成/山﨑香/川原崎晴紀/東雲楽/栗原一美/みずだけ豆太/加藤亮佑/酒巻誉洋/久保田雅彦/滝川いくた/根岸佐千子/荒井正人/中村ひろみ
9月1日 14:00~配信開始
★サブスク配信作品
すべて重力のせいだ
作・演出:加藤真史
【あらすじ】
被疑者は用事狙撃の現行犯
事件の真相をめぐり引き寄せられる運命
取り調べる者と取り調べられる者
両者を隔てるのは何か
そして浮かび上がる「この国の寂しさ」
要人狙撃の現行犯で逮捕された被疑者。最初の聴取で弁解録取書が作成され、捜査本部管理官タケノ同席で供述取調べが開始される。担当するのはベテラン男性刑事ヤマグチと刑事任用されたばかりの女性刑事ナカハラ。被疑者は、柔和な語り口のヤマグチに対して素直に供述しているようだが、ヤマグチ自身は核心に触れられていない感触を持っている。また、ナカハラは被疑者の女性蔑視的な態度に苛立ちが募っている。一方、管理官タケノは、事件の真相を明らかにすることと、警察組織の思惑に挟まれ、被疑者の供述をコントロールすることを余儀なくされる。事実関係だけ確認し、動機などは検察に送致してからで良しとするタケノの官僚的・マニュアル的な態度にヤマグチは反発し、取調担当から外されてしまう。ヤマグチに変わり取調正面になったナカハラは、被疑者の侮蔑的態度に抗しながら核心に迫ろうとするが、被疑者の供述に対し決定的な読み違えをしてしまいタケノの筋書きによる取調は袋小路にはまる。その間、ヤマグチはナカハラによる読み違えを予期し、現場警察官のネットワークを使い、命令違反を承知で独自の捜査・情報収集を行い、その情報の一つがタケノとナカハラの誤謬を修正する。言葉の行き違いでヤマグチがナカハラを怒らせてしまうが、それがきっかけとなりタケノとヤマグチの緊張関係が融解する。取調の糸口をつかんだタケノとナカハラは犯行の動機の核心に迫る供述を引き出すことに成功する。ところが、被疑者の背景にある事情がナカハラ自身の抱える問題と共鳴してしまったことで、ナカハラが正面で取調を続けることが出来なくなってしまう。タケノが正面に入り、ヤマグチが補助に入るが、堰を切ったように語られる被疑者の心情や事情にタケノも圧倒され言葉を接げなくなってしまう。その状況に対し、ヤマグチが論理的な飛躍を看破し、再び被疑者の取調正面を任される。ナカハラも取調に戻され、ヤマグチの誘導で被疑者が触れて来なかった(あるいは理解していなかった)動機の構造が明らかにされていく。その事実に、被疑者自身さえ言葉を失ってしまうが、それを供述調書にするための最後の聴取をヤマグチはナカハラに任せる。語られる被疑者の言葉に、取調にあたった3人の警察官はそれぞれの立場から言葉を紡ぎ出す。
【キャスト】
大竹直(青年団)/加藤亮佑/酒巻誉洋/村山朋果