日本橋店の武田です。
今回のタイトルは犀。読めますでしょうか。サイ、と読みます。はい。あの動物のサイです。犀の出てくる演劇です。何の話か想像したうえでこのあらすじを読んでください。
ある街に突如として犀が出現する。人々は慌てふためき逃げ回りながらも、この動物がいったいどういう訳でこんな街中に出現したのか、アジアの犀だったのか、アフリカの犀だったのか等いろいろ想像したり議論したりする。
結局犀は猫を一匹踏み殺した挙句どこかに去っていくのだが、人々はこの事件を忘れることができず、そうしているうちに彼らは段々と犀に変身し始め、行列を作って街中を暴れ回るようになる。やがて犀は世界中の人間に取って代わり、最後に一人の男が残される。
はい。不条理劇です。人類を一人だけ残して他は全部犀。犀オブ・ザ・デッドです。わけがわからないと切り捨てるのは少し待ってください。ただシュールなだけの作品が海を越えた島国で何十年も上演されて議論されるわけはないのです。
皮肉や問題提起を見えないくらいに刻んで仕込む。気づいた人は口の端だけでシニカルに笑う。百人いれば百通りの解釈があり、どれも正解であり間違いでもある。この犀は何を表わしているのか。表面を見ているだけでは楽しめない。いつもよりちょっとだけ知的な観劇体験をお楽しみください。
劇団櫂人
「犀」
【ストーリー】
ある街に突如として犀が出現する。人々は慌てふためき逃げ回りながらも、この動物がいったいどういう訳でこんな街中に出現したのか、アジアの犀だったのか、アフリカの犀だったのか等いろいろ想像したり議論したりする。
結局犀は猫を一匹踏み殺した挙句どこかに去っていくのだが、人々はこの事件を忘れることができず、そうしているうちに彼らは段々と犀に変身し始め、行列を作って街中を暴れ回るようになる。やがて犀は世界中の人間に取って代わり、最後に一人の男が残される。
【キャスト】
東條将孝/甲斐照康/青木恵/脇田美穂子/福島睦/向後正枝/鈴木里花/菊地伸二/田中淳子/鳴海逸美/小池恵子/久保貴志/宮下文子/藤田三三三/柘植英樹/丸本育寿
【スタッフ】
作者:ウジェーヌ・イヨネスコ
演出:篠本賢一
照明:青木慶太(ライトK)/音響:山田健之/美術:篠本賢一・菊地伸二/衣裳:青木恵/舞台監督:森山香緒梨/振付:石川弘美/写真:宮内勝/ビデオ撮影:大塚登(東京舞台映像)/チラシイラスト:村上洋子/チラシデザイン:前嶋のの/制作:高橋俊也(THEATRE-THEATER)
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観劇三昧ではまだ数の少ないシニア劇団である劇団櫂人。
演劇は想像力と勢いだけで作るものではない。経験からくる自信と知識を使った知的な観劇体験。「ゴド―を待ちながら」でおなじみサミュエル・ベケットと肩を並べるフランスの不条理演劇作家ウジェーヌ・イヨネスコの作品をどう演じられたのか。とても楽しみです。
劇団櫂人は、2011年11月、芸能スクールOBの有志5人によって創設された。シニア演劇というアマチュア的な枠に止まらず、より深く演劇を追求し、本質に迫る質の高い舞台を創造したいという高い志の下に劇団を結成した。
劇団櫂人の目指す演劇は、人間の普遍的テーマを扱った古今東西の本格的な戯曲の上演である。シニアと称される年を重ねた団員らのこれまでの職場や社会や家庭での多くの人生経験は、演劇を創造するに必要な分析力と構想力と表現力とを豊かに育んでいるものと思われる。シニアの特性を十分に生かして、思慮深く知性の香りあふれた感性豊かな演劇を創造していきたいと考えている。
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