こんにちは!日本橋店の今村です。
先日、
【こわいおもいを】ケータイの電源って、なんで切ったほうがいいの?【したくない】
というブログを書いたのですが、
公開した日は炎上しないか心配で眠れませんでした。小心者代表、今村です。
おおむね穏やかに読んでいただけて嬉しいかぎりです。
ところで、みなさまは、初めてのことに挑戦するとき、事前に調べるほうですか?
私はこれでもかというぐらい調べます。
「チッこれだから初心者は」
「物見遊山にきてんじゃねえよ」
なんて思われたらどうしよう!先人たちになにか失礼をはたらいたら、もう二度とこの世界に足を踏み入れることはできないんじゃないかしら!?
ちなみにいままでで一番やらかしたことは、舞台の仕込み(前日に会場の準備をするやつです)で、あろうことか
ヒールのサンダルを履いていったことです。
思い出しただけで死にたくなりました。
さて、このように心に傷を負わないためには、事前に調べることが大事です。
とはいえ、何を調べていいのかもわかりにくいこの業界、自分で調べるのは大変ですし限界があります。
ここはこの石橋を叩いて壊す勢いの今村が、ずいぶん先回りした方向から
「観劇に行く前の準備・当日の行動・服装など」について、調べたり自分の経験を語ったりします。
たぶんこれを一読すれば、明日にでも観劇に行く準備は整うはず!
前回同様、「そんなことわかってるよ」って方にはあまり面白くない記事かもしれませんが、
世の中には私みたいな小心者が「わかんないから一歩を踏み出せない」と足踏みしている可能性もありますので、ご了承くださいませ。
~観劇に行くための準備~
①観たい公演を探します。
はっきり言ってはじめはこれが一番大変だと思います。日本せましといえども、毎日毎日どこかの劇場でどこかのカンパニーが公演をおこなっています。
CoRich! や Confetti(カンフェティ)や演劇パス を利用すれば、自分の地域でどんな劇団が公演されているのかを調べることができます。
関西の方はDFG_Osakaというサイトで、今日何やってるのかな?が簡単に検索できます。
ステージナタリーやエントレ、CINRA、SPICEなどのエンタメ情報サイトで情報を見るのもおすすめです。
情報サイトは、情報見るのが楽しすぎて気づけば数時間経っていますのでご注意ください。
あとは人におすすめを聞いたり、観劇三昧の店舗でスタッフに尋ねてみたり、観劇三昧で好みの劇団を探したりするのもいいとおもいます。
②チケットを予約します。
人気の公演はチケット争奪戦です。当日券が出ることもありますが、運とタイミングに左右されます。
また、劇団側は予約数からだいたいの当日来場人数を考えますので、事前に予約をしておいたほうが親切です。
この時、劇団によって「事前精算」と「当日精算」の窓口があります。
事前精算:銀行振り込み・カード決済・コンビニ発券など。(各種手数料がかかることがあります)
当日精算:当日会場で、受付にてお支払い。
ご自分が申込みをしたチケットが、「事前精算」なのか「当日精算」なのかは必ず確認してください。
事前精算は、多くの場合、チケットが発送されたり、コンビニなどで発券する必要があります。
当日に受付で名前を言ったら「え…?」みたいな反応もらったら…
やだ想像しただけで震える(小心者)
また、予約をするときには多くの場合メールアドレスが必要ですが、
パソコンからのメールが受信できる状態になっているかを必ず確認してくださいね。
③会場と、会場までの道のりを調べます。
演劇の劇場って、どういうものをイメージしますか?
ドーンと劇場然としたものが建っていることって、実は結構まれです。
私は関西の劇場に行くことがほとんどですが、
ビルの5階にあったり
入口が喫茶店だったり
お寺の中にあったり
駅から20分かかったり
割と一筋縄ではいかないパターンが多いです。
大きな劇場とかわかりやすいこともありますが、私は超度級の方向音痴なため、ビル群の中にあるともう泣きそうになります。
そして、劇場って、道ゆくひとが存在を知らないことが圧倒的に多い。
迷った時の最終手段、「スキル:人に聞く」が通用しないのです。※地域によります
ですので、よーーーーく調べておきましょう。
スタッフのYさんは、道に迷い倒した結果、開演30分以上経過してから何度も何度も通り過ぎた場所が実は劇場だったと気づいたそうです。
本当にあった怖い話。
~観劇当日~服装編~
ドレスコードがある劇場はほとんどありません。
Tシャツ・デニムでももちろんいいですし、お仕事帰りのスーツ姿でも大丈夫。
劇団によっては「汚れてもいい服装で」なんて注意書きがあるところもありますが、ほとんどありません。
①シャカシャカ鳴るタイプの素材は避ける
前回のブログでも書きましたが、お芝居を観る上で「客席から聞こえる音」は作品の妨げになってしまいます。
また、アクセサリーもジャラジャラ鳴るタイプのものは避けたほうが無難です。
②温度調整ができる服装で
会場は空調がありますが、冷暖房が効きすぎていることもあります。カーディガンやストールなどがあると便利です。
また、パイプ椅子などの座席が多いため、ダウンジャケットなどかさばる上着を着ていくと、足元がえらいことになります(経験済み)
③大きな荷物は事前に確認を
座席と座席の間にスペースがないことが多いため、大きな荷物は置き場所がない、なんてことも。
会場によってはクローク(荷物預かり)がありますが、ない会場もあります。
遠征などの場合は、キャリーバッグはコインロッカーに預けるか、事前に劇団に確認が吉。
④帽子は避ける
演劇の会場はわりと狭いです。映画館のように、列によって綺麗に段差が組まれていないこともあります。
もちろんできるだけ見やすいように劇団さんが工夫を凝らしていますが、難しいこともあります。
帽子の分、ご自分の座高が高くなってしまうので、後ろの席の人が見えづらくなってしまいます。
なお、アフロを帽子で押さえつけている方は、この限りではありません。
(背の高いおだんご頭も控えてくださいね!)
⑤香水はつけすぎに注意
大事なことなので2回言いますが、演劇の会場はわりと狭いです(広いところもありますが)
隣のひととの距離はとても近いです。
また、上演中はほぼ密閉空間になります。
想像してみてください。
密閉された会場で、俳優たちは走り回り、大きく呼吸をし、汗をまき散らします(公演によります)
俳優が大きく息を吸ったその瞬間、複数の香りが混ざった空気が肺に流れ込む。
(人によりますが)死を覚悟することもあります。
また、お客様の中にも強い香りが苦手なかたもいらっしゃいますので、そこはもう、気の遣いあいで…お願いします…(小声)
⑥脱ぎ履きしにくい靴、ブーツは注意!
会場によっては、土足禁止の会場があります。そういう会場では、靴を脱ぎ、渡されたビニール袋に入れて持って中に入ります。
そういう会場は往々にして、入り口が大変狭いです。
焦って震える指先、噛むジッパー、後ろに並ぶ人。
さらに渡された袋にどう考えても左右の靴が入らない。
スタッフさんを呼びたいが、もう自分の後ろに長蛇の列。
その瞬間に頭の中が真っ白になることうけあいです。何なら泣くかもしれません(小心者)
なので、するっと脱げてするっと履ける靴(ブーツ以外)が安全です。
靴で入れる会場でも、階段がありますので慣れた靴のほうがおすすめ。
~観劇当日~受付編~
映画館に行ったことはありますか?
大きなロビーに自動発券機、パンフやグッズを売っている常設グッズコーナー、ポップコーンやドリンク販売。本編が始まる前に流れる予告編。
これらすべてをまずは忘れてください。
①受付開始時間・開場時間・開演時間のチェック
受付開始時間は、開演1時間前~45分前が多いです。
入口が混雑する、並ぶ、イレギュラーなことが起こるなど、当日の様々なことに対応するために、
余裕をもった時間設定にしています。
開場は、公演をする部屋に入れるようになる時間です。
開演45分前~30分前が多いです。そしてこのあたりの時間が、一番受付が混みます。
開演時間は、お芝居本編が始まる時間です。
この時間までに、全てのご来場予定のお客様が受付を済ませ、
席に着かれている状態になることが理想です。
どうして?映画や音楽ライブなら、途中入場も退場もわりと自由にできるよね?
と、お思いの方もいるかもしれません。
何度目かになりますが、演劇の会場はわりと狭いです。
そして、シーンによっては完全に真っ暗(暗転といいます)になります。
その間は、扉を開けることはもちろん、お客様をお席に案内することができません。
また、明るいシーンであったとしても、何度も扉を開いて何人ものお客様を誘導すると、
俳優もお客様も気が散ってしまいます。
そのため、時間には余裕をもって行動をお願いします。
座席について、当日渡されるパンフレットをゆっくり読むのも楽しいのですよ。
②自由席・指定席のチェック
公演によって、「自由席」か「指定席」かが変わります。
自由席:多くが受付順、または予約時の整理番号順に入場し、好きな場所に座ります。
最前列で臨場感を楽しむもよし、最後列で舞台全体を見渡すもよし。
人間の心理として知らない人の隣には座りにくいのですが、混んで来たら奥に詰めてあげられると優しい人だという印象を持たれます(多分)
私は小心者が過ぎるため、後から来る人の少しでも邪魔になりたくなくて最後列一番奥に座ることが多いのですが、
開演前にお手洗いに行くときにたくさんの方の足をまたぐ羽目になるので良し悪しです。
指定席:受付で渡されるチケットや、あらかじめ発券されたチケットに席番号が割り振られていることが多いです。
指定の時間を過ぎてからの入場の場合、別のお席に変更される場合があります。
席を確保しているからといって油断は禁物。
③受付の方法
事前精算の場合:スタッフさんに、チケットを見せてください。チケットのうち3分の1ぐらいをスタッフさんがちぎります(もぎる、とも言います)
当日精算の場合:受付のスタッフさんに、「予約時に入力した名前をフルネームで」伝えてください。
多くのお客様がいらっしゃいますので、同姓の方がいらっしゃることがあります。
その場で金額を告げられますので、お支払いをしてください。もちろんお釣は用意されていますが、お釣りの無いようにお支払いできるとスマートです。
④開場後
多くの劇場では、飲食(飴・ガム・水を含む)・喫煙が禁止されています。
公演は、1時間~2時間程度のものが多いですので、おなかが鳴らない程度に先に何か入れておくほうが安心です。
喫煙は必ず決められたスペースで。携帯灰皿は、持ち歩ける喫煙所ではありません。
途中休憩はないことが多いです。また、終演後は混雑しますので、先にお手洗いは済ませておきましょう。
人間、行けないと考えるとなぜか行きたくなります。
ちゃんとお手洗いに行ったのに、お水も飲んでいないのに、開演10分で猛烈な尿意に襲われたことがあります。
あの苦しい2時間のことは一生忘れることはないと思います。
また、開演10~5分前には、「前説」と呼ばれるご挨拶が入ることが多いです。
このタイミングで、ケータイの電源を切ったり、本当にお手洗いに行かなくていいか再確認したりしましょう。
最後のチャンスですよ!!!(大声)
~観劇当日~観劇中・後編~
会場内の音楽の雰囲気が変わり、音楽が盛り上がるのと反比例して、ゆっくりと客席が暗くなる…
同時に、客席に静かな緊張感が漂います。
隣の席の友人との会話は小声になってすぐに途切れ、ケータイの電源を切ったかどうか最終確認する。
真っ暗になり、舞台にポゥ、と灯りがともるのを静かに待ちます。
私はこの瞬間がなによりも好きです。
会場全体が一体の空気をまとう瞬間。息が止まるような緊張感。日常から非日常に入れ替わる瞬間の黄昏時。
まずはこれを楽しんでください。
そして、いよいよお芝居が始まります。
①上演中の色々な注意点
笑う、泣く、はどんなタイミングでもOK。
面白いと思ったらぜひ笑って、隣の人をもらい泣きさせるぐらい泣きましょう。
鼻をかむのはわりと勇気がいると思いますのでハンカチでそっとぬぐいましょう。
上演中のお喋りはお控えください。
ひとの声というのは、他のひとの声を掻き消すノイズです。
隣のひとの話し声で大事なセリフが聞き取れないなんてことは、とても悲しいです。
上演中は、許可のないカメラ撮影・録音は禁止されることがほとんどです。
カメラのフラッシュ・撮影音・もちろん著作権や肖像権の問題が発生しますので、絶対に許可なく撮影・録音はしないようにしましょう。
また、上演中以外でも、舞台上のセットを撮影したり、SNSなどにアップすることは控えましょう。
セットも作品の一部です。ネタバレになったり、舞台セットを作った方への許可が必要な場合があります。
どうしてもな場合は、スタッフさんに聞いてみてください。
②拍手について
終演時、「終わり」と言ってくれることはあまりありません。そして、終わり方はさまざまです。
しん、と静まりかえって舞台が暗くなり、灯りがつくと誰もいなくなっている。
大きく音楽が盛り上がって暗転し、灯りがつくと俳優が舞台上に並んで、頭を下げる。
などなど…
拍手をするタイミングは、慣れるまで難しいかもしれません。
私も15年以上お芝居を観ていますが、「おわ…り…?(拍手していいの…?)」ってなることも、ままあります。
「スキル:周りに合わせる」の出番です。
ですが、ほとんどの場合「こんなに素晴らしい作品を観せてくれてありがとう!届けこの想い!」っていう気持ちで
自然と拍手が出ますし、いつまでも鳴りやませたくない!と感じます。
心のままに手を叩いて良いと思います。
難しいのは「ダブルコール(カーテンコール)」「トリプルコール」です。
鳴りやまない拍手を聞いて、一度後ろに入った俳優が、舞台上に戻ってくることがあります。
はじめのうち、私はこのシステムに大変戸惑いました。
終演し、拍手をして、荷物を片付けようとして頭をかがめた瞬間に、拍手の音が大きくなるんです。
びっくりしました。
場合によっては違うと思いますが
「ダブルコールありきの終演」というものもありまして、1回みんなお辞儀をして舞台上からいなくなるんですよ。
で、10秒ぐらいで戻ってくるんです。
そこから、代表の方や作演出家のご挨拶や役者紹介、物販コーナーの説明やアンケートの案内などがあったりします。
こういうご挨拶をされる場合の多くは、終演後、客席の灯りがつききりません(確実ではありません)。
ちょっと薄暗いな?という状態の灯りでしたら、ちょっと長めに拍手を続けてみましょう。
手がつかれるぐらい拍手を続けても何も起こらないときは、ダブルコールをしない公演なのだと諦めて帰ることも多いです。
熱心なファンで、一人ででも拍手を続けるかたもいらっしゃいます。
どれだけ心を揺さぶられたかで、拍手を続けるかどうかを選択しましょう。
③公演アンケート
当日に渡されるパンフレット。ここの一番上に、「公演アンケート」が入っていることが多いです。
面白かった、つまらなかった、こんどはこんなことをしてほしい、など…
ご自身の生の声を劇団に届けることのできる貴重な機会です。
アンケートは俳優や演出家が直接読み、明日以降の公演の糧にします。
何か心を動かされることがあれば、色々と書き綴りましょう。
また、劇団からのDMやメルマガをお届けしていることもあります。気に入った劇団はぜひアンケートを書きましょう。
劇団によってはペンを用意されていますが、ないところもあります。
マイペンシルを持って行くとなにかと捗りますので、鞄に一本忍ばせておくことがおすすめです。
「良かったのでぜひ観劇三昧で配信してください!」
という声が多ければ、配信を検討してくださるかもしれません。ぜひ。
④終演後
最近はSNSが発達していますから、終演後にTwitterで感想などがつぶやかれていないか、評判はどうか、など、
血眼になって探す劇団もいらっしゃいます。
感想をつぶやく際は、ぜひ劇団名・公演名を入れてつぶやいてみてください。
俳優さんからのRTやいいね、あわよくばリプライが飛んで来たりします。
実際に舞台を観られた方の感想というのは、なによりも劇団の活力になります。
「自分には合わなかったな」という感想でも、飲み込む必要はありません。
受け止めかたは人それぞれ、大事なあなたの感想です。
でも、「悪意のある発言」は避けましょう。根拠のない罵倒や、失敗を名指しで悪しざまに罵るなどは、だれが読んでも気持ちのいいものではありません。
(ご本人がネタにしているとかなら許容範囲…かな…???)
ネタバレ…は…個人の裁量に任せますが、できたら…公演終了後までは避けたい…!!!
また、良い感想が書けましたら最後に
「すごく良かったのでまた何度も観返したい。観劇三昧で配信したらいいな!」
とつぶやいてください。劇団名・作品名も忘れずに。
是非ぜひ。
読み返したらとんでもなく長くて辟易しました。
演劇ならではのローカルルールも多いですし、いろいろ書きましたが、安心してください。
公共の場所での一般常識と、劇団さんを応援したいという気持ちがあれば、楽しい観劇の時間が待っています。
ざっと読むだけでも、なんとなく「いけるんじゃない?」っていう雰囲気がつかめるのではないかな、と思います。
初めての観劇。はじめはみんな初心者です。
そこで嫌な思いをしてしまうと、観劇そのものに嫌な思い出ができてしまう。
それはとても悲しいです。
事前の情報収集と準備で、楽しい観劇体験をしていただきたいな、という想いのもとこんなブログを書いてみました。
「こんなこともあらかじめ知りたかった」
「こんなことで困った」
「演劇関係者目線から、こんなこと伝えてほしい」
などなど、ご意見ご感想をぜひお寄せください。
長い文章を読んでいただき、ありがとうございます!
みんなで楽しい観劇ライフを!!!
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