面倒なので衣替えをまだしていません。寒くないので。

寒くないです。気の持ちようです。

こんにちは。武田です。

 

さて、今回は皆様お馴染みの「観てみた」のコーナー、第二回です。

現在、観劇三昧で配信されている作品は496作品。

そのうえ、今も増え続けています。

その中で好みの作品を探すのはちょっと大変です。

そこで、毎回一つの作品をスタッフがレビューしていきます。

それを参考に好みの作品を探す手掛かりにしてほしい。

 

そんな思いで始まったコーナーです。

 

さて、今回紹介する作品はこちら。

月曜劇団

「どうでもいい結社」

999

 

まずは上のフライヤーをじっくりと見てください。

このフライヤーにグッときたあなた。そう、あなた。きっと気に入ってもらえると思います。

とくに何も感じなかったあなた。

……とにかく読んでいってください。

 

【ジャンル】

会話劇 コメディ 不条理

 

【あらすじ】

謎の3人組!
あてのない旅を続ける謎の人物!!
そして繰り広げられるどうでも良い議論!!!
月曜劇団が贈るちょっとシュールな会話劇。

 

【観る前の印象】

コメディ色の強い会話劇と思っていた。

フライヤーから内容が読み取れないところに興味があった。

 

 

【観た後の感想】

不条理劇というジャンルをご存知でしょうか?

とても説明の難しいジャンルでたいていの場合は「?」や「!?」や「…」といった感じの結末にたどり着きます。

かなり人を選ぶジャンルである事は間違いないでしょう。それがまた不条理ですね。

 

今作は月曜劇団の得意とする会話劇に、不条理劇の要素を足した作品です。

あらすじからも独特の雰囲気が漂います。

舞台セットもまた独特。中央にポッカリと空いた穴、それを縁取るように描かれたのたくったような線。

うーん。不条理。期待が高まります。

 

 

登場人物を分類すると「謎の二人組」「謎の旅人」「どうでもいい議論を続ける謎の三人」「微妙な距離感の謎の夫婦」

この四組に分けられます。謎の多い奴らばかりですね。

彼らの会話で少しづつ謎が解け、物語が少しづつ前に進んでいく……わけではありません。

本題に近づくと誰かが茶々を入れて会話は思わぬ方向へ転がってしまい、本題はいつの間にか煙に巻かれてしまう。

 

開始30分時点での僕の感想は「なんじゃこりゃ?」でした。

何せストーリーが見えてこないのです。マシンガンのように放たれる実のない会話も、次々と現れるどこかおかしな人たちも面白いのですが、長く観ているとどうしても飽きがくる。

「あれ…期待しすぎた…?」そんなことを思いつつ先へ。

 

 

観終わりました。

結論から言わせてもらうと、とても面白かった。

この手のひら返しには理由があります。

それは伏線の撒き方の巧みさ。一見バラバラで繋がりそうもない会話や行動が一つ、また一つとつながって、最後には大きな一つの輪になった。あれほどとっ散らかったように見えた一つ一つの要素が一切の破綻もなしに。恐ろしいことだ。

もう一つはセットの使い方。特に中央の穴。MVPが各出演者だとしたら、助演男(?)優賞は間違いなく彼(?)だろう。

開始数秒後にMGMのロゴ(映画の冒頭によくある、ライオンがほえるアレ)のモノマネに使われたっきり、出っぱなしにされながらも、決して目立たず、かといって埋もれずの姿勢を貫いた彼(?)の姿には貫禄すら感じ、終盤の彼(?)の芝居には涙を流しそうになった。

 

長々と続けてしまったが、注目すべきはセットではない。演者の遊び心を忘れないプレイと、巧みすぎる構成。

不条理なのに心地いい。なんだこの感覚!?とんでもない作品を観てしまった気がする。

ラストを観終わった後、果たしてあなたは「どうでもいい」と言えるでしょうか?

 

 

笑える度       ★★★☆☆

満足度       ★★★★★

心地よい不条理度  ★★★★★

 

【こんな人におススメ】

・普通の会話劇では満足できない人に

・伏線回収が好きな人に

 

【観劇三昧クイズ】

お待たせしました。皆様お待ちかね、観劇三昧クイズのコーナーです。

正解者には達成感をプレゼント。

それではさっそくいってみましょう。

 

Q.落ち込む夫をなぐさめるため、妻が披露したモノマネのタイトルは?2つお答えください

 

さぁ、お考えください。どうしてもわからない方は本編をカンニングしてもかまいません。

 

「どうでもいい結社」

 

作品紹介

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・公演日 2009年5月15日~5月17日

・会場  In→dependent  theatre  1st

・キャスト 

上原日呂

西川さやか

ヤマサキエリカ

大沢めぐみ(シアターシンクタンク万化)

笠江遼子(茶ばしら、)

片岡百萬両(ミジンコターボ)

幸野影狼(A級MissngLink)

花田綾衣子

脱力系会話劇に見せかけた、壮大すぎる物語。
ぜひとも体感してください。

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