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6.劇団突撃インタビュー

劇団突撃インタビュー★動物目線で世界や人を描く!干支を一周した劇団の向かう先は?座長に突撃!

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今年もあっという間に1か月が過ぎましたね。時の流れが加速している!

今年初めての(ごめんなさい…!)劇団突撃インタビューです☆

 

■劇団突撃インタビューって?

【観劇三昧】とつながりが深い、噂の「あの人」に観劇三昧が突撃インタビューします!

俳優/脚本・演出家/劇団代表など、普段は舞台の上でしか見ることができないあの人の、

なかなか聞けない本音や裏話、演劇に対する想いを存分に語っていただきます。

これを読めばもっと劇団が好きになるかも?知らない劇団なら、知るきっかけになるかも?

そんな、日常にちょっとしたワクワクをお届けする新コーナーです。

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本日のお相手は…

超人予備校座長!超人予備校の全作品を作・演出を手掛けるこの方!

魔人ハンターミツルギさん!

やだ渋い!

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■魔人ハンターミツルギ

劇作家、演出家、役者。劇団「超人予備校」主宰。
1968年6月5日生まれ、兵庫県尼崎市出身。
1992年~2004年「遊気舎」に所属。
2005年「超人予備校」旗揚げ。以来、現在まで全作品の作・演出を手掛ける。
「鶴に恩返し~例えば火の鳥の飲む麦茶~」で第13回OMS戯曲賞最終候補ノミネート。
2013年朗読ユニット「ミツかね堂」を開始。
ラジオドラマ、童話、落語台本、イベント構成、外部への台本提供や構成・演出、また、東京でのイベント出演や2度のアメリカ公演で作品を発表している。

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公式ブログ: 魔人ハンター「徹子の部屋」

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■超人予備校

2004年発足、2005年に旗揚げ公演『鶴に恩返し~例えば火の鳥の飲む麦茶~』上演以後、魔人ハンターミツルギ作品を上演。
干支にこだわる作品を作り続け、今年で13年目を迎える。
動物などの目線で世界や人を描くコメディーを得意とする。
本公演以外にも、台本なしのイベント『ラボライブ』、天王寺動物園でのファミリー向け公演『おはなしえん』など幅広く活動中。
2度にわたるアメリカ公演も行っている。

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劇団HP: http://www14.plala.or.jp/choyobi/
Twitter: @choyobi
FB: https://www.facebook.com/choyobi/

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■ミツかね堂

魔人ハンターミツルギ(劇団超人予備校)作の童話を、ふくいあかね(劇研「嘘つき」)が朗読する夫婦ユニット。最近はミツルギも朗読します。

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FB:https://www.facebook.com/mitukanedou/

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動物から見たら人間ってすごくうらやましいと思うんです。

―24歳で「遊気舎」に入団される前は演劇活動はされていたのですか?
魔人ハンターミツルギさん(以下魔人):していなかった。大学時代に「落語研究会」に入っていたんですが、四回生で引退して暇になったころに、遊気舎が講座をやってて、それを何回か受けたんです。
4月には就職が決まっていたので、そこでちょっとだけお芝居をかじって、サラリーマンになろうと思っていたんです。
でもサラリーマンになったらムードについていけなくて、また遊気舎の講座に戻っているうちに、遊気舎のオーディションがあったんです。
後藤ひろひと氏(当時の遊気舎座長)に「とりあえず受けたら?」って言われたんですよ、飲んでる時に。

―軽い!(笑)
魔人:僕当時はサラリーマンだったし、稽古にもそんなに参加できないしって言ってたんですが、「そんなもん受かってから考えたら?」って(笑)
で、7月にオーディションを受けて、9月にサラリーマン辞めたんですよ。そこからお芝居を本格的にやり始めました。

―大学で落語研究会をやってらしたんですね。
魔人:落語やったり、学園祭なんかでは吉本新喜劇風コントの台本をやったりとかしてました。そういうところでは僕が中心になってやってましたね。
そういうのもあって、遊気舎の講座を受け初めました。

―遊気舎の講座は、完全に演劇の講座だったんですか?
魔人:そうですね!本気でやりたいひとから趣味程度のひとまで。大学4回生の9月~3月の秋冬だけ限定でお芝居を習おうと思ってたんですけど、いつの間にかオーディション受けて入団して、っていうね(笑)
僕は滑舌が悪いから、役者をやるんじゃなくて台本書きたかったんですよ。それを後藤氏に言ったら、「役者の気持ちわかんない奴がホン書けるわけねぇじゃん」って。
「やってみろ。やってみなきゃわかんねえじゃん」と。

―台本を書くために、役者を始められたのですね。遊気舎ではずっと役者を?
魔人:そうですね、ずっと役者でした。

―超人予備校の名前の由来って何ですか?
魔人:僕が入ったころの演劇界って、いかつい人が多かったんですよ。人殺してきましたよみたいな顔して歩いてはるんですよ。古田新太さんとかも歩いてるだけで怖かったしね。
威圧感っていうんですか?そういうのを持った人が多くて。でも僕らの世代からは優しい人が増えてきて、普通の人が多かったんですけど、
超人になれなくてもそれを目指さなくちゃダメなんじゃないかって。普通の人だからこそ。
芝居やってるだけやけど、他の人よりは超えたことができるよって。

―ブログを拝見してるとプロレスがお好きみたいですけど、そういうのも由来だったりするんですか?
魔人:好きですね。超人ハルク・ホーガンとか。キン肉マンとかも。そういうとこから来てますね(笑)

―演出をされるうえでもっとも重要視されてることってなんですか?
魔人:これは遊気舎時代に後藤氏から習ったことなんですけど、「役者の人生を否定しちゃいけない。その人にしかできない役があるから」
まずホンを書いてる時点でこの人が何をすれば面白いか、何を言えば面白いかって言うのは考えてますね。

―という事は当て書きで書かれてるってことですか?
魔人:そうですね。僕はホン書きはじめるまでが長いんですよ。「よし、書ける」までに時間がかかる。書き始めると早いんですけどね(笑)。

―出演者を集めてから色々試してもらって書き始めるってことですね?
魔人:そうです。この座組で一番面白いものは何か?というのを探してますね。

―たしかに、ミツルギさんの作品観てると役者が無理をしてないなって…変な言い方ですけど、楽しそうだなって思いますね。
魔人:アンケートにもよく書かれるんですよ(笑)「楽しそうで良かった」ってね。
それでいいかって(笑)そもそも楽しくないお芝居なんてあるのか?って思うんですけどね。
いろんなお芝居がある中で、僕はこっち(楽しい芝居)かなって思うんです。

―なるほど。それにも通じることだと思うんですけど、超人予備校の作品を通して伝えたいことやメッセージはありますか?
魔人:僕は子供のころから図鑑見たり動物園行ったりして動物が好きだったので、「動物の視点で人間を見る」のをコンセプトに始めたんです。
今はどうかわかりませんけど、ちょっと前の小劇場の作家って「不幸な話」をうまく書く人が多かったと思うんですよ。

―不幸な話ですか。
魔人:一時期戯曲賞とかもノミネート作品が不幸な話で埋め尽くされてたときもあって、そのテーマならいいお芝居はできると思うけど、僕は「そうじゃないだろ」と思ったんです。。
小劇場を見に来るお客さんはただでさえ少ないのに、これじゃ広がらないと思って。もっと楽しめるものを作ったほうがいいんじゃないかって。
別にアンハッピーが悪いってわけじゃないですけど。
不幸な話って要は「人間の否定」じゃないですか。わざわざ僕がそれを書かなくてもいいかと思ったんです。それを書ける人は他にもたくさんいますから。
だからちょっとだけ元気が出る話を目指しましたね。

動物から見たら人間ってすごくうらやましいと思うんです。「にんげんっていいな」みたいに。あったかい布団で眠るんだろなって。

―あったかい布団は確かに幸せです!(笑)
魔人:それがあるだけでも人間って幸せやなって。だから人生を悲観しない。へこんだり悩んだりしてる人に「ええんちゃう?」って言ってあげるような芝居がやりたいなと思ってますね。

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―今配信中の超人予備校の5作品(「トラにパンチ!」「ほとんど人参」「エリマキトカゲ心中」「すぺどら」「骨せつサンバ」)この中で、超人予備校を初めて観る人にすすめるならどの作品ですか?
魔人:そうですね…この中で一番褒めてもらって今でも再演の声がかかるのは「ほとんど人参」なんです。多分これが今の超人予備校のフォーマットがそろった作品です。
僕の作品はみんな「嫌な事」をテーマにしてるんです。例えば「ほとんど人参」は妬みと嫉妬。テーマ的には暗いものをやってるんですけど、それをどう「楽しさ」に昇華できるかを考えてるんです。

「ほとんど人参」の時は男性陣がみんな出られなくなったので、女性中心の芝居を作るしかなくなって、せっかく女性芝居をやるんだから、嫉妬や妬みをテーマにしたほう
が一番いいかなって思ったんです。なので自分なりに激しくバトルさせましたね。

―「ほとんど人参」の見どころってどこですか?
魔人:月亭八天(現・月亭文都)さんの落語風の語りから始まって、ニランジャンのダンスと軽い人形劇もあって、あんまりストーリーを注視しなくても頭に入ってくるようになってます。
しゃべりと動きのプロが出てますからね。

超人予備校「ほとんど人参」

 

―超人予備校といえば天王寺動物園の「おはなしえん」ですが、これは子供向けに作ってるんですか?
魔人:初めは子供向けに教訓を入れた作品を作ってたんですけど、もう子供たちもそういうのに飽きてきてるなって。
それなら子供って意識じゃなくて、与えられた題材で楽しいものを作ろうと思ったんです。
子供にもわかるように言葉遣いには気を使いますけど、内容は子供と一緒に来た大人にも伝わるようなものを作っています。
僕の中で縛りがあって、あくまで天王寺動物園にいる動物を使うということです。実物を見に行ったあとでこの芝居を観ても、芝居を観終わった後に実物を見に行っても、
どちらにしろ「本物を見に行く楽しみ」を大事にしたいと思ってるんです。
それと最後に童謡を歌うんですけど、その童謡と内容がうまくシンクロするように芝居を作ってます。

―童謡は有名なところから?
魔人:そうですね。ストーリー性のあるものから使ってるので、もうストックがない(笑)一番初めは「白ヤギさんの手紙」、次に「森のマレー熊さん」森のくまさん。
3つ目が「もしもしうさちゃん」もしもしカメよですね。その次が「しましま太郎」っていう浦島太郎のシマウマ版で、今が「おさるのかごや」やってます。

―なるほど。でも動物縛りの童謡ってなると、かなり少なくなってきますよね?
魔人:そうですね。「ぞうさん」とかになってくると、もうストーリーがないんですよ!
「お鼻が長いのね そうよ母さんも長いのよ」じゃ膨らませようがない(笑)
「さっきの手紙のご用事なぁに」みたいなのならいくらでもできるんですけど。動物の童謡って意外と無くて。なので少しもじったりとかして広げていくしかないのかなって。
観てる子供がまたすごくて。完全に「志村後ろ!」状態。物を落として届けてあげるって話のときなんか「落としたで!!!」って(笑)

―(笑)
魔人:「落とした言うてんのに!!!!!」ってやじられて。わかってる。わかってるて。

―お子さんからしたら芝居観に行くぞって雰囲気では来てないですもんね。まだ観方わからないですよね。
魔人:それが楽しいんですけどね。逆に教えられることもあるし。鍛えられましたね。ただ動物園なんでね。
真裏でカバの「てつお君の歯磨き教室」とかとかぶってしまうと全然お客さん来なくなって(笑)

―完全に枠をとってくれてるわけではないんですね。
魔人:観に来てくれた人でも子供に見せながら親御さんはうつらうつらしてはりますけどそれもいいかなって。
眠くなるのはしゃあないし、動物園でもやすらぎの時間は欲しいやろなって思てるんですけどね。
僕らも子供のころは絵本読んでもらいながら寝てたでしょ?それと同じですよ。大人になってからそんな機会がないだけで。
だから大人にもそんな機会があったらいいなと思うんです。

―今ミツルギさんが一番興味あることってなんですか?
魔人:今一番ホンのネタにしたいのはやっぱりトランプさんの事ですね。

―時事ネタ!(笑)
魔人:これからアメリカはどうなるんだ?って。決してアメリカの人もトランプさんが大統領になって大丈夫とは思ってない感じがすごい伝わってくるし、まず名前が素敵でしょ?
トランプ氏って。博打のゲーム道具でしょ?一か八かに賭けはったんやなって感じがいいですよね。今一番面白いなって思う人です。笑ってる場合じゃないですけど、面白いですよね。
日本人やから笑ってられるけど向こうの人からしたらそれどころじゃないと。

―干支は一周しましたけど、今後超人予備校は新しい動物を開拓していく予定ですか?
魔人:色々考えたんですけど、干支でやってるのは、いつの作品かすぐわかるようになんですよ。今後は干支にもちょっとはこだわりますけど、これまで描いてこなかった動物をやっていこうかな
と思ってます。

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これが演劇っていうのではなくて、これも演劇ってのを僕は狙っていきたい。

 

―これからも演劇活動は続けていかれるうえでの、目標はありますか?
魔人:うーん、僕たちがここまで長く続けてこられた秘訣は、「目標を作らなかった事」と、「甘い考えを捨てない事」なんですよ。

―捨て”ない”?
魔人:ない。「この芝居やったらすごく売れっ子になるんじゃないか?」「すごい金になるかも」みたいな考えをいつまでも捨てない。卑屈な考えをすると一歩も歩けなくなりますから。
目標を立てると、達成できなかった時に落ち込んでしまう。なのであえて目標は作らなかったんです。
でも今回12周年なので、ちょっとくらいは目標持ってもいいんじゃないか?ってことで、「HEPに出る」「1stでのロングラン」そして「東京進出」。まぁできない事じゃないでしょ。
そんな大それた目標ではないですし。もう少し超人予備校が世間に認知されるといいなと思います。これが演劇っていうのではなくて、これも演劇ってのを僕は狙っていきたい。

―これも演劇。
魔人:動物園でもやってる通り、僕たちはお芝居の入り口にいたいんですよ。まずはウチから入って、「お芝居って面白いな」って思ってもらいたいたくて。
今はお芝居の入り口ってはっきりとわからなくなってると思うんですよ。

―初めて見たお芝居ってその人の今後の観劇人生を左右しますもんね。
魔人:前なら、つかこうへいさんとか に影響を受けた人たちが新感線や劇団M.O.Pを作った。さらにそう いう人たちを観て次の世代の人が出てくるっていうのがあっ たらしいんですけど。

―今は入り口はかなりふんわりしてますね。演劇はずいぶん多様化していますし。
魔人:当時の人はつかさんの芝居とかやりたい芝居があったんでしょうねぇ。その前の人は政治色が強いのが多かったみたい。そこからアングラと呼ばれるような感じになって行ったんでしょう。
やりたい芝居がある演劇人の次に出てきたんが後藤ひろひとさんとか伊藤えん魔さ んのような、映画のような芝居を作る演劇人やと思います。
それからだんだんテレビや漫画、ゲームなどサブカルの影響を受けた舞台が多くなったかな。
今はもう何をしたらいいかわからない状態になってると思うんです。
今、小劇場界を見渡すと結構古いことをやってると思うんです。

―原点回帰ってことですか?
魔人:見せ方とか感覚とかは新しいけど、軸になるところは元に戻ってる感じですね。

―超人予備校は演じる事の楽しさだったり、役者がイキイキしていたりっていう意味で、原点に近い気がしますね。
魔人:そうですかね?僕たちはみんなキャリアのない人ばっかりでやってたので、人間に見えないんですよ。「人はそんな言いかたしないでしょ」って言われたり。
それで考えて考えて「動物にしてしまえ!」って結論になったんですよ。「動物だからいいんだよ」っていらん事考えなくなるんですよ。
そうなるといろんな人に「学芸会」って罵られましてね。それだ!「大人学芸会」!この方向は間違ってない!って。
それである程度結果は出せたんですけど、「トラにパンチ!」から動物路線はもうこれ以上先がないぞって。
人間と動物を対等に書こうと考えて試行錯誤したんですが、やっぱり人間は書かないとだめだけど、動物も捨てないでおこうと。
耳と尻尾つけるだけで雰囲気は変わるし、なんやコイツって注目もされますし。
そういう路線で行こうと思ったんです。要は学芸会のテクニックですよ。けれども話は学芸会レベルではなくて、大人が観ても楽しめるように
作っていくぞと思ったんです。

初めはお客さんに見せるとこまでいかなくて役者たちが楽しんでくれる事をやろう、と思ってたら散々動員に苦戦して。
そんな時に某女優さんが、東京から観に来てくれた演劇ファンが「こんなの東京では信じられない」って言ってたよって事を教えてくれたんですけど、僕は「うるせぇ」って。

―うるせぇ(笑)
魔人:いつか落とし前つけてやるって。当時思ったんですが今年やっと東京に行くんです。
「東京では信じられない」って逆に考えれば東京には僕らみたいなのはいないってことでしょ?これをおいしいと思わないと、面白くないなと思って。
いろんな芝居があるからいいじゃないですか。でも、一時期は大阪のお芝居は、一つのことに こだわってた気がする。凄く偏った方向だけが目立ったっていうか・・・。今、多様化してきて面白いです よね。
一時期は作品もだけど、どこ観ても同じ役者が出まくってたりして。

―たしかにありましたねそんな時期!(笑)
魔人:個人だけじゃなくて劇団自体も元気ですし。今の小劇場って面白くなってきてると思いますけどね。

―確かに今劇団が元気になってる感じがしますね。
魔人:東京のほうがレベル高いって言う気は全くないんですけど、観に来てくれるお客さんが多いっていうのは羨ましい。
東京では尖った表現に特化してても人が集まるんですけど、大阪では尖りすぎるとお客さんがついてこれない。
その代わりにお客さんを満足させたいってサービス精神は大阪のほうが上だと思ってるんです。
けどそれによって成長をつぶされている人もいるんじゃないかと 思うんです。どっちもどっちなんかなぁ?

―演劇って廃れつつあるというイメージが世間的にはあると思うんですけど、今後演劇はどうなっていくと思われますか?
魔人:僕が思うのは、いつ売れてもいいように準備はしておかないと思うんです。役者はもちろんですけど、劇作家も。
昔あった小劇場ブームでお客さんがたくさん来たり、お芝居でお金儲けができるような世の中になった時に、いつでも面白いものが作れるだけの軸をしっかり作っておくことが大事だと思うんです。

団体ごととか個人ごとじゃなくて小劇場ってジャンル自体が愛されないと、一過性のブームになるんですよ。
例えばF1ブームって言っても結局はアイルトンセナブームだし、K1ブームといってもアンディフグブーム。
その人がいなくなってからは一気に人気がなくなったでしょ?そのためにはそれにふさわしい力を持った人が揃っていないとだめですよね。

―逆に考えると、誰かひとりでも小劇場からスターが出れば一気に人気ジャンルになるかもしれないってことですよね?
魔人:ですね。ただ間違ってほしくないのは舞台はテレビへの踏み台ではないってことです。舞台から有名になってテレビに出る人はたくさんいますけど、それで芝居始めるのは違うんじゃないか。
さっき言った「いつ売れてもいい準備」と「売れるための準備」は違う物なんです。前者は絶対に必要なことですけど、後者は別に舞台でやる必要はないことなんですよ。

―そうですよね。売れたいとか有名になりたいってためだけなら別に舞台である必要はないですもんね。
魔人:そうです。売れるってのはただお金儲けのためじゃなく、自分が面白いと思う事を世間に評価されるかどうか。
やりたいことできる自由があるし。

―超人予備校は観客層にも、今から始める演劇層にも入り口であってほしいですし、お芝居って楽しいものという印象を与える存在になってほしいですね。
魔人:僕たちは全然若者に憧れられないんですよ。

―確かに、わかりやすくかっこいいタイプではないですよね(笑)
魔人:昔からそうなんですけどね。
でもどんな人にもお芝居はできると思うんです。別に演技って特殊技能じゃないですから。

―ありがとうございました。

 

超人予備校 次回公演

「タイトル未定」

■大阪公演

6月9日(金)~11日(日)

道頓堀ZAZA

■東京公演

9月22日(金)~24(日)

池袋シアターグリーン

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劇団突撃インタビュー★圧倒的身体能力で「怪優」と称される、10周年を迎えた劇団の看板俳優に突撃!(その2)

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さてみなさま、お待たせいたしました!

劇団突撃インタビュー第3弾は、「怪優」玉置玲央さんにお越しいただき、たっぷりインタビューさせていただいております★

前回は、玉置さんの俳優として、また、演出家として考えていることなどを深く掘り下げてお聞きいたしました。

 

その1はこちら!

 

今回は、さらに踏み込んで、作品について語っていただいちゃいます★

 

 

FLYER OMOTE OUT

この7人でやれることに、飽きよう。

―観劇三昧で配信されている柿喰う客「無差別」では狗吉役を格好よく演じられていました。この作品の見どころは?
玉置:狗吉もすごく印象に残ってる役ですね!でも、自分というよりは、当時の劇団員7人だけでどれだけのことができるのか、という挑戦をしていたんです。
中屋敷(柿喰う客主宰/作演出)も、よく言うんですけど。この7人でやれることに、飽きよう、と。

―飽きる?
玉置:そう、今やっている演劇プランにしても、座組にしても、早く飽きて、新しいことをどんどん見つけていこう、と。
で、そのバランスがなんかちょっと不思議な時期で、新しいことにどんどんチャレンジしていた。
作風にしても、稽古の進め方にしても、挑戦を色々していたな、と思い出します。
その時の劇団員全員、7人でこんなことやっちゃうんだ!という劇団の「覚悟」を観てほしいです。

柿喰う客「無差別

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「どんなもの観せてくれるんだよ、新生柿喰う客」

―柿喰う客新作「虚仮威」は、どんな作品になりそうですか?
玉置:劇団員総出演は「天邪鬼」以来1年ぶりですね。
今年一年、柿喰う客っていろんな公演・活動をしてきたんですよ。でも、劇団員全員が俳優として一同に会することが一度もなかったんです。
新劇団員が入って、男子は男子(柿喰う客フェスティバル2016 『フランダースの負け犬』)で、女子は女子(柿喰う客フェスティバル2016 『露出狂』)でやってましたしね。
一人は海外に行ってましたし。

―あれだけ色々されてるのに、揃われなかったんですね。
玉置:そうそう。で、ようやく集まったんです。
だから本当は、中屋敷も出演してほしいんですけどね。13人で、やれることやったほうがいい。

―確かに、一瞬でもいいから舞台に立ってほしい気になりますね。
玉置:まあ、作演出なのでもちろん参加はしているんですけどね。
勝手知ったるメンバーで、人によっては13~4年、一緒にいましたから、演劇をやる上での「相手を愛せる可能性」ってのは、なんとなくもう判ってきてて。
それもあって、中屋敷は劇団員を増やしたんですよ。
そうなると、今度は真逆で。まったくゼロの、純粋無垢なコミュニケーションを取るわけですよ。
俳優として何ができるか、どういうこと考えているのか、全く知らないひとと、「劇団」でコミュニケーションを取っていくってことが、すごく新鮮で。
だから、今はとにかくそれを探っています。劇団として、劇団員としての共通言語や共通認識を持つことに躍起になっている。
今までのメンバーだけで良かったじゃんとか、メンバーが増えたことに対して特別な違いがなかったとか思われたら意味がない。
増えたからこそ作れる作品、作品の意味。やっぱり劇団としての「覚悟」を観てもらいたいです。

―観る方にも、覚悟が要りそうですね。
玉置:それ!そうなったらいいなぁって思っているんです。
敷居を高くするつもりは全然なくて、「どんなもの観せてくれるんだよ、新生柿喰う客」ってぐらいの感じで観てもらいたいですね。

―新しく劇団員が増えたのは、久しぶりのことだったんですか?
玉置:5年ぶりに6人が増えたんですよ。今までが7人だったので、新しいひとと元々いたひとと、半々ぐらい。
状況ががらっと変わった。だから、どうなるのかなって思っています。
今までの柿喰う客から、何が変わるのか。僕も楽しみです。

 

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「演劇の地図」を作りたいって思っていて。

―先日配信が開始されたカスガイの「リビング」を作るにあたって、どんなメッセージを込められましたか?
玉置:09年の作品ですしね、見直してみて、僕若ぇなー!って思いました(笑)
当時考えてたことは「死んでも仕方ないよ、生きてた方がまだいいよ」っていうこと…かなぁ。
わー、観てもらいたいな、話すより(笑)

―そこを何とか!(笑)
玉置:第2回公演の「バイト」でもそうなんですけど、「人が人のために生きる、人のために死ぬ」みたいなのが好きだし、しゃらくせぇ!って思うんですよ。
「リビング」って3つの意味があって、Living Room、生きている(live+ing)、出ていく(Leaving)の3つ。
この中でも、「生きる」っていうことをカスガイでは主題としています。
あと、SF(セックスファンタジー)、性にまつわるお話をテーマに入れていますね。
生きる上でどうしようもないことにとらわれたり、とらわれなかったり、それで起きるごたごたとかが好きなんです。
「リビング」の時は、とにかくそういうのをトゲトゲしく出してみよう!って思ってました。

―トガっていた感じとか、まさに若さですね。
玉置:メッセージ性が強い、っていうと言葉はいいんですけど、とにかく主張の強い作品でした。
うるさいわ!玉置のやりたいことはわかったわ!ってなる作品だと思う。実際そういう感想もいただきました。
でも、自分のやりたいことやろうと思って立ち上げた団体で、やりたいことやらなかったら意味わからないじゃないですか。
だから好き放題やらせてもらったんですよね。
メッセージは、やっぱり「生きる」ってことですね。

―生きるのって楽しいよ、ってこととか?
玉置:生きるのってしんどいな、だったり、面倒くさいな、だったりも。
生きるよね、人って!ってことだと思う。
もう、色々語るよりとりあえず観てほしい!(笑)

カスガイ「リビング」

―カスガイの新作は予定ありますか?
玉置:やりたいことは無限にあるんですよ。カスガイでは「演劇の地図」を作りたいって思っていて。
同じ街、都市だけど違う場所、違う時代のことを描いているんです。
出てくるのは架空の街なんですけど、そこに細かい設定とか…建物や歴史、時代背景なんかを用意していて。
それに則って、原案を作っているんです。そこに今一番伝えたいこと…憤りとか、悲しいこと、とかを乗っけて届けていけるといいなと思っています。
上演予定は未定だけど、こんな話にしたい、こんなことをやりたい、という原案は、すでに7公演ぶんぐらいできています。

―街があれば人がいる、人がいればそれだけ物語が生まれますもんね。
玉置:今のところ、各作品に必ず名前だけでも出てくる登場人物が3人います。もちろん架空の人物ですが、今後の作品も、この3人にまつわる話になると思います。
来年、再来年には次回公演がやれたらいいな。

―それは楽しみです!ぜひ大阪でも公演してくださいね。
玉置:大阪には絶対来ます!

―ありがとうございます!それまでに「リビング」も「バイト」も観たいですね。
玉置:そうそう、「リビング」が動員888名、「バイト」が2000名なので、「バイト」を観たけど「リビング」を観てない、ってかたの方が多いんですよ。
「リビング」が上演されたのはだいぶ前ですし、DVD販売しなかったので。
実は「バイト」には、「リビング」を観ているとなお楽しめる、っていう内容がいっぱいあったんですよ。
「バイト」を観たときに「何だこの設定?」ってなった方は、ぜひこの「リビング」を観て、3年ぶりの答え合わせ、伏線回収をしてもらいたいですね。

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演劇の世界を軽やかにお散歩ができたらいいなって。

―今後、演劇活動を続けていく中で、目標を教えてください。
玉置:「演劇を散歩する」が最終目標ではないけど、最近のテーマです。
諸先輩がたの「頑張って、無理をして」演劇をやっていない姿に衝撃を受けたんです。
演劇が在ること、演劇で生活をしていること、それが当たり前なんです。
生活の一部になっているんですね。起きて「ご飯を食べる」が当たり前なように、生きて「演劇をする」。
それってすごく素敵だなって思いました。
僕の場合は、それをさらに遊ばせて、演劇の世界を軽やかにお散歩ができたらいいなって。

―とても玉置さんらしい感覚ですね。
玉置:演劇って、難しいものではないんですよ。もちろん誰でもができるものではないけど、敷居が高いものではないんです。
それは、演劇に携わるにしても、演劇を観るにしても。
飄々と演劇を「生きる」人がいて、それを見て、「ああ、これぐらい身近なものなのか演劇」って思ってもらえたら、
演劇というものが柔らかくなって、いろんなところに波及していくんじゃないかな、そうなればいいなと思っています。

―ありがとうございました。

 

柿喰う客 次回公演

「虚仮威」

▼三重公演
2016.12.2[金]~12.4[日]
三重県文化会館 小ホール

▼仙台公演
2016.12.17[土]~12.18[日]
エル・パーク仙台 スタジオホール

▼東京公演
2016.12.28[水]~2017.1.9[月]
本多劇場

▼大阪公演
2017.1.19[木]~1.22[日]
ナレッジシアター

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劇団突撃インタビュー★圧倒的身体能力で「怪優」と称される、10周年を迎えた劇団の看板俳優に突撃!(その1)

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少しずつ恒例化してまいりました、劇団突撃インタビュー!

インタビュアーも慣れてきまし…た…?(緊張のあまり前日はなかなか眠れない感じになります)

■劇団突撃インタビューって?

【観劇三昧】とつながりが深い、噂の「あの人」に観劇三昧が突撃インタビューします!

俳優/脚本・演出家/劇団代表など、普段は舞台の上でしか見ることができないあの人の、

なかなか聞けない本音や裏話、演劇に対する想いを存分に語っていただきます。

これを読めばもっと劇団が好きになるかも?知らない劇団なら、知るきっかけになるかも?

そんな、日常にちょっとしたワクワクをお届けする新コーナーです。

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さて、本日のインタビューのお相手は!

柿喰う客の看板俳優!カスガイ主宰!舞台はもちろん、映像作品への露出も多い、今まさに注目のひと!

玉置玲央(たまおき れお)さん!

はい男前!

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■柿喰う客

青山学院大学演劇研究会に所属していた中屋敷法仁が、自身の作・演出作品を上演する演劇ユニット「柿喰う客」として発足。
2006年1月1日に正式に劇団として結成。
演劇特有の虚構性を重視した躍動感あふれるパフォーマンスが特長。
古典作品のアダプテーションや他ジャンルのアーティストとのコラボレーションも実施。
女優のみでシェイクスピア作品を上演する「女体シェイクスピア」シリーズは好評を博し、2016年現在8作品を上演している。
「こどもと観る演劇プロジェクト」や「高校生のための演劇プロジェクト」など、幅広い観客層への作品上演も積極的に展開。
2015年に上演された「天邪鬼」では、東京・兵庫・岐阜の三都市公演で過去最高動員の5000名を達成。

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オフィシャルHP:http://kaki-kuu-kyaku.com/

Twitter:@kaki_kuu_kyaku

Facebook:https://www.facebook.com/%E6%9F%BF%E5%96%B0%E3%81%86%E5%AE%A2-264194713606294/

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■玉置玲央(たまおき れお)

1985年3月22日生まれ、東京都出身。
身長171cm、A型。
特技:運動全般、ドローイング

私立関東国際高校 演劇科卒。
柿喰う客劇団員 カスガイ主宰 ゴーチ・ブラザーズ所属
2005年、「挿入ジェノサイド」より柿喰う客に参加し、2006年、柿喰う客の劇団化とともにメンバーとなる。以降、ほぼ全ての公演に出演している。
2007年、演劇ユニットカスガイの活動を開始、主宰する。全ての公演で、原案・演出を担当。
NHK大河ドラマ「真田丸」織田信忠 役や、2016年11月よりスタートするNHK総合テレビドラマにレギュラー出演するなど、近年さらに露出が増えている。
酒は一滴も飲めない。

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オフィシャルブログ:「博愛日和」

Twitter:@reo_tamaoki

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■カスガイ

2007年、柿喰う客の劇団員である玉置玲央が、「演劇でお客様と色濃く繋がる」為に様々な可能性を模索するべく立ち上げたプロデュースユニット。
2009年に「リビング」で旗揚げ、888人を動員し、王子小劇場で旗揚げ公演を上演した団体の最多動員記録を樹立。
この公演で、佐藤佐吉賞にて最優秀舞台美術賞、最優秀主演男優賞のほか、多数の優秀賞を獲得。
2013年「バイト」では東京・大阪2都市で公演を行い、2000名以上を動員。

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オフィシャルブログ:http://kasuguy.seesaa.net/

Twitter:@kasuguy

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いただいたら、それに報いる、応えるっていう相互関係

―演劇を始めたきっかけは、高校進学時に演劇科を選択したことから、だったようなのですが、もともと演劇に興味を持たれていたのですか?
玉置玲央さん(以下玉置):まったくなかった。中学の時、高校に行く気が無かったんです。中卒で働こうと思ってたりして、3月末になっても行く高校が決まってなかったんです(笑)
そのころだと、高校側が2次募集、3次募集をかけてくるんですけど、それを見て中学の先生がおススメしてくれた高校が、関東国際高校だったんです。
そこの、韓国語科、ロシア語科、演劇科の3つが定員割れしてるっていうことで。
この中で、高校3年間を楽しく過ごせるのはどれだろうとなって、僕は演劇科を選んだんですよ。それがきっかけで、僕の演劇が始まりました。

―それまで、演劇には触れたことも無かった?
玉置:うーん、学芸会とかで、出演するのは好きでしたね。

―高い身体能力と響く声、幅広い演技力で「怪優」と称される玉置さん。目指したり、影響を受けた俳優さんはいらっしゃいますか?
玉置:むかしはチョウ・ソンハさん(ひょっとこ乱舞[現:アマヤドリ]の旗揚げメンバー。現在は成河[ソンハ]と改名)がヒーローだった。
そのころ僕は、自分がこんなに運動するタイプの俳優になると思ってなかったんですけど、身体を動かすのは好きで。彼を観たときに、「こんなに動けて個性的な俳優さんがいらっしゃるんだ」と衝撃を受けました。凄い憧れてましたね。

―成河さんを目指したかった?
玉置:そうですね、いや、超えてみせる!って思ってました。

―演技をするうえで、一番気を付けていることは何ですか?
玉置:コミュニケーションですね。演劇って自分だけで完結できることじゃないから。例えば運動ができる、とか、大きい声が出る、とかって自分だけで何とかなることじゃないですか。
やっぱり総合芸術なので、対、相手役だし、対、作演出だし、対、お客様だし。もちろんスタッフさんもいらっしゃって、なりたっているんです。
座組(※公演に携わるメンバーや組織の総称)に居る上で、相手からもコミュニケーションを求められて、こちらからも求めて、総合的に成り立って、作品を作って、公演を迎えるっていうのが一番良いんじゃないかなって思います。

―ご自身が、コミュニケーションを取りに行くのはもちろんだけど、相手からも取ってもらえる、取りやすい環境を作る、ということでしょうか。
玉置:そうですね。そういう空気とか現場づくりをしようと心がけています。

―その場に居て違和感がないというか、そこに居てくれると嬉しい、という人は素敵ですね。
玉置:そうなれるといいな、と思っていますね。

―公演前、劇場入り後等に絶対行う、ジンクスのようなものはありますか?
玉置:色々あるんですが…本番3時間前には必ず劇場にいて、1時間はアップをする、かなぁ。
舞台上でも舞台袖でも、ロビーとか、その劇場空間を感じながらアップをする、っていうのかな。
そこでの時間の過ごし方がうまくいくと、やっぱり本番もすごくうまくいくような気がする。
あとは…開場直前までは舞台上でなるべく過ごす。
各スタッフさんと舞台に挨拶する。これはもはやジンクスというより儀式なんですけど。
絶対、どの現場でもやってます。やらなきゃダメだ、失敗する、って思ってます(笑)

―そういう儀式的なの素敵です!気持ちの安定って大事ですよね。
玉置:まあ、自己満足にすぎないと言えばそうなんですけど、満足はしないより、したほうがいいじゃないですか。

―公演時にいただいて嬉しい・嬉しかった差し入れって何ですか?
玉置:何いただいても本当嬉しいしありがたいんですよ。食べ物、飲み物、身に着けるもの、手作りのもの、お手紙、ハンドクリームとか入浴剤、お花。
特に印象に残っているものだったら、「のれん」ですね。
カスガイのロゴって、実在する家紋を加工して作ったものなんですけど、そのロゴが入ったのれんをくださったんですよ。それは凄くうれしかった。
くださった方に応えるために、そののれんを飾るために「楽屋の個室を用意してもらえる俳優にならなきゃ」って思いました。
それに限らずですが、差し入れをいただいたら、それに報いる、応えるっていう相互関係はいいなって思っています。

―それは確かにすごく嬉しいし、励みになりますね。
玉置:あとは、カスガイの第2回公演「バイト」の時にいただいた、舞台美術を模した、枯れないお花のフラワーアレンジメントですね。
すごくこの作品を愛してくださったんだな、と感じました。

―とすると、その方は1回公演を観られて、翌日以降にその差し入れを持ってもう一度お越しになられた、と?
玉置:そうですね。それも嬉しいことです。お花のセンスもすごく良くて、今でも飾っています。

―これまで演じてきた中で、一番印象に残っている役は何ですか?
玉置:僕ね、演じてきた役を忘れないんですよ。役のセリフや、稽古風景、当時の状況ってなかなか忘れられないタイプなんです。
だからその質問難しいなぁ(笑)
うーん、三御堂島ひより(一人芝居「いまさらキスシーン」より)は何度も繰り返して演じているので、ライフワークみたいになっているなって。
もう7~8回演じてますから。それはやっぱり印象深いですね。
僕の役、というよりは、その座組や、作品そのものの印象が残っていることが多いです。
「こどもの一生(2012年11月 PARCO&cube Presents公演)」の時、座組の諸先輩方の中で、必死でやらせてもらったこととか。
「荒野のリア(2014年3月 T Factory公演/エドガー役)」では、麿さんや手塚さんのような偉大なる先輩方の下で、甘えて好き放題やらしてもらったりとか。
役を含めた現場の印象がすごく残っているものが多いです。

―玉置さんは、本当に座組の雰囲気を大事にしてらっしゃるんですね。
玉置:だって、自分のことってもう、勝手にやったらいいことじゃないですか。
演劇やるんだったら、自分のことは一回置いといて、人のことや、人と何ができるかを考えないと、楽しくない。

―ひとりじゃ作れないですもんね。
玉置:そう!それ。一人芝居だって、作演出家やスタッフさん、お客様が居ないとできないんですよ。

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面白いものを作るために妥協しない空間づくりをしたい。

―俳優として幅広く活躍されている玉置さんですが、「カスガイ」の主宰として、原案・演出もおこなわれています。
 もともと高校時代も劇団で作演出をされていたそうですが、カスガイを立ち上げられたきっかけは?
玉置:高校時代やっていた劇団に、深谷由梨香(柿喰う客俳優)とか、渡邊安理(演劇集団キャラメルボックス俳優)も所属してて。
僕と深谷は卒業後しばらくしてから柿喰う客に所属したんですね。で、深谷と安理と集まったときに「玲央、久々に演出やらないの?」と聞かれたんです。
柿喰う客に所属して、いろんな人に出逢って、いろんな演劇観を手に入れて、その上での演出ってどんなことができるかなって。

―なるほど。
玉置:あとは、世莉さん(時間堂・黒澤世莉)と作品を作ったのもきっかけです。世莉さんみたいなことをやりたいなって思ったんです。
時間堂みたいな作品を作りたいっていうよりは、俳優教育とか、俳優との付き合い方・寄り添い方が好きだったんです。
こういう人になりたいなって思って、また演出をやりたい!と思ったんですよね。
もちろん柿喰う客でやるわけにいかないから、じゃあ自分のやりたいことをやろう!って思って立ち上げました。

―演出をするうえで、一番意識していることは何ですか?
玉置:一貫して同じなんですが、良い座組つくりをすることです。
俳優が100%のパフォーマンスを発揮できる環境をつくりたい。
キャリア・性別のような個体差で、何かを我慢しなけりゃいけないとか、言いたいことが言えない環境だったりとかが生まれないようにして、
面白いものを作るために妥協しない空間づくりを心掛けています。
個人的なことや、人とのやりとりで思い通りにいかないこともあるけど、そういうギリギリの「安全」じゃないものから生まれる大事なものを探れるようにしたくて、
そのためには「これ以上この人に踏み込んでも大丈夫だろうか」っていうところまで探れるような、安心感のある座組をつくるっていうことを大事にしたいです。

―座組って、家族よりも一緒に居る時間が長いですもんね。仕事仲間とも違う。
玉置:そう、一日の半分以上を座組で過ごす。家族よりも近いのに、血はつながっていない他人同士。面白い関係性ですよね。

 

 

とにかくまっすぐに誠実に、お客様と座組のことを大切に考えられている玉置さん。

次回は、本日配信が開始される カスガイ「リビング」についてと、柿喰う客の新作公演について語っていただきます。

 

柿喰う客 次回公演

「虚仮威」

▼三重公演
2016.12.2[金]~12.4[日]
三重県文化会館 小ホール

▼仙台公演
2016.12.17[土]~12.18[日]
エル・パーク仙台 スタジオホール

▼東京公演
2016.12.28[水]~2017.1.9[月]
本多劇場

▼大阪公演
2017.1.19[木]~1.22[日]
ナレッジシアター

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