みなさまこんにちは、ペースは遅いながらも確実にファンを増やしていっている(はず)、劇団インタビューのお時間です。

何せこのインタビュー、インタビュアーの私が一番楽しみにしています。

やはりじっくりお話しを聞いて、人となりを知ると、その人が好きになります(単純)

「好き」が増えるのはとても楽しい。

 

■劇団突撃インタビューって?

【観劇三昧】とつながりが深い、噂の「あの人」に観劇三昧が突撃インタビューします!

俳優/脚本・演出家/劇団代表など、普段は舞台の上でしか見ることができないあの人の、

なかなか聞けない本音や裏話、演劇に対する想いを存分に語っていただきます。

これを読めばもっと劇団が好きになるかも?知らない劇団なら、知るきっかけになるかも?

そんな、日常にちょっとしたワクワクをお届けする新コーナーです。

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本日のお相手は…

先日「好き」という、とてもストレートなタイトルの公演をおこなわれた

劇団5454(ランドリー)より、工藤佑樹丸さん!!

Say!KI☆NO☆KO!

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■工藤佑樹丸(くどう ゆきまる)

 

1989 年 10 月 12 日生まれ、O型。

大学進学のため大分県から上京。日本大学芸術学部を卒業後、劇団5454の旗揚げメンバーとなる。ノンバーバルパフォーマー96969として、NYでのパフォーマンス経験あり。劇団5454ではマッシュルームヘアーのキャラクターで、舞台以外にもドラマ「闇金ウシジマくんpart2」(MBS)やバラエティ「まとめないで!!(個性派俳優特集)」(EX)に出演。他にもイベントの司会や、猫メイクを施したクロダという破天荒キャラクターで観劇三昧のお店に出入りしたり、役者のポテンシャルを舞台上など問わずに発揮している。

特技 即興ソング、猫メイク
趣味 知らない場所巡り
資格 普通自動車第一種運転免許

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ブログ:「Yukimaru の脳内エステ
Twitter:@kokujinmaru 
FaceBook:https://www.facebook.com/yukimaru.kudou 
instagram:https://www.instagram.com/yukimaru_kudo/

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■劇団 5454(ランドリー)

「5454」と書いて「ランドリー」と読む。 誰もが見聞きする人や事を、心理学や社会学、物理学などを使って掘り下げる。 「アドラー心理学」や「ユングの集合的無意識」、「固有振動数」「機会損失」「ストレスフル ライフイベント」etc… 現代に転がる知識で現代の日常を多角的に切り取る。現代風刺ではなく、ファンタジーでも ない。 SF に近いが、サイエンスフィクションというよりもサイコロジカルフィクション。 青空の下になびいている T シャツのように、日々当たり前に見ている風景がリフレッシュ されるような。 舞台公演を通して、日常に新たな視点を提案する。

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公式 HP:http://4484.jp/5454.html
公式 Twitter:@5454laundry
公式 FaceBook:https://www.facebook.com/5454laundry/

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―工藤さんは大学に行かれるために大分から東京に来られたんですね。

工藤佑樹丸さん(以下工藤):はい。そうです。

 

―それから卒業後に劇団5454 の旗揚げメンバーになられたとのことですが、それまで演劇に携わられたことは?

工藤:ないんですよ。もともと親父が大分で役者やってたんです。
けど大分にはそんなに演劇文化がない。親父の芝居を見て育って、っていう僕が特殊だったんです。
ただ、表現することって面白いなと思ったから、これを生業にするにはどうすればいいのかっていうのを高校の後半くらいで考え出して。
学校が好きだったので、劇団に入るとかはしなくて中高ずっとサッカーやってたんですよ。

それで高校を出てから演劇を学べる学校はないかと、日芸(日本大学芸術学部)か大阪芸大(大阪芸術大学)かで迷ったんです。
大阪芸大はセンター試験で受けるんですけど、俺あんまりセンター良くなかったんですよ。
「あ、大阪芸大は無理だ」と思って「じゃあ」ってぐらいの気持ちで赤本買って勉強したら日芸に受かった。
くらいで、それまでは演劇経験なくて、上京して日芸に入ってから演技を始めたんです。

 

―そこで劇団5454のメンバーと出会ったんですか?

工藤:はい。僕が1年のときに2コ上の劇団5454の作演の春陽漁介がいて、大学入ったら先輩の作品観るじゃないですか、学生演劇。
それがことごとく僕には面白くなかったんです。

 

―(笑)

工藤:「アングラ目指してます」とか「いじめをフォーカスしました」みたいな、芝居もそんなに上手いと思わないし。
面白くないなって時…大学入って初めての6月くらいだったかな?
2個上の先輩である春陽さんが、プロデュースユニット四方八方(ふぉーほーやっほー)を立ち上げたんですよ。
当時は春陽さんは役者で。春陽さんが信頼する演出さんと既成の台本で、ってスタイルだったんです。
(※1作目「クーラー消してもいいですか?」作:森角威之(天然工房)2008年5月)

それ観たときに”ハッピー”だったんです。
「なんて面白い作品なんだ」「いいなこの世界観」って思って。

 

―”ハッピー”。いい言葉ですね。

工藤:日芸のシステムって、1年はまず基礎を学んで、2年から学校で舞台を作れるってシステムだったんです。
だから1年の間に舞台を作りたい奴は先輩と組んで、休みを上手く使ってやるしかなかったんです。
それなのに僕が初めて出た作品も次に手伝った作品も全然自分にあわなくて。

でも、その時いろんなキャスティングをする中で、春陽さんも友情出演で出てたんです。
そこで春陽さんと「もっと面白い作品つくりたいよな」って意気投合したんです。
そのころには春陽さんは2作目(止むに止まれず! ※作:佐藤秀一(3LDK)2009年3月)が終わってて。
「春陽さんの作品出たいっすわ」みたいな話をして「また機会があれば相談するわ」ぐらいで終わったんですよ。

そしたらその翌年大学2年のときに、春陽さんが「次の四方八方出ないか」って言ってくれて。
その作品が春陽さんの初めての作演出の作品で「カエル(2009年6月)」って作品です。

なんでいきなり春陽さんがいきなり作になったのかというと、「おもしろいホンがなかなかないな」と「それなら自分で作るしかないな」って。
役者の面からしても、11人のキャラクターを書けば、11人のキャラクターを得られる。だから自分も挑戦したいって理由で始まったんです。
春陽さんがはじめて書いた作品に出たのは、今の劇団員で俺が唯一です。

 

―へぇ。

工藤:そこからずーっとつながってプロデュース公演に出てるんです。

 

―その四方八方に所属されていた人たちが今の劇団5454のメンバーですか?

工藤:四方八方は制作団体だったんです。なので役者を抱えていたわけではないんです。
毎回客演を呼んで公演するシステム。僕もずっと客演扱いだったんです。
その中でも評判が良かった「アフターサービス(2011年1月)」に高野アツシオ、村尾俊明、関幸治、石田雅利絵、板橋廉平、と今の劇団5454の基盤を固めるメンツは出てたんです。

「アフターサービス」は、それまでのファンタジーな作品から、「黄泉の国」っていう死んだ後の世界を舞台にして作った作品だったんですけど、
それを作る中で「このメンツならずっと一緒にやっていきたいな」という気持ちが出だしましたね。

 

―なるほど、プロデュースユニットで一緒にやった人たちの中で、気が合う人がどんどん集まっていったっていう感じなのですね。

工藤:そうそう、それで僕が卒業する年の4月に劇団5454として動き出して、これまでのプロデュース公演に出てくれた人たちとオーディションをやったりしたんです。
この時唯一四方八方に出てなかったのが佐瀬恭代。たまたまやってた劇団5454のオーディションを飛び入りで受けたって衝撃的な出会いだったんです。
「ト音」で戸井先生とかやってた人なんですけど、劇団5454においては居なくてはならない重要な俳優です。

ちなみに萬ちゃん(劇団5454制作:萬田さん)は旗揚げの時からお客さんとして来てくれてた人なんです。
ガタイ良くて、キャップかぶったりアクセサリーじゃらじゃらついてるのがいっつも最前列にいるからすげえ目立ってて(笑)

 

―大ファンじゃないですか(笑)

工藤:色々あって今は制作やってくれてます。

 

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役者と気づかれないぐらい「パーツ」になりたい。

 

―良い出会いですね(笑)工藤さんが俳優として動き出したときに、どんな俳優になりたいと思われていましたか?

工藤:上手い俳優にはあこがれてないんですよ。なので終わった後に「お芝居上手かったですね」って言われるとだめだと思ってて。
理想論かも知れないですけど、表現者として芝居が上手かったっていうのは「個人が役に対して近づいてた感」みたいなことだと思うんです。
その人が芝居がうまくてその役に近づいてたというよりも、僕は「その人間」としてそこ居たことを認めてもらえるのが一番大きいと思ってて。
だから「○○(役名)の人がよかった」「感情移入できた」って思われるのが嬉しい。
作品として盛り上げられるなら、僕としては役者と気づかれないぐらい「パーツ」になりたいと思うタイプです。「出てた?」くらいが一番うれしいですね。

 

―工藤さんはビジュアルにインパクトがあるので…(笑)

工藤:なので今は出来ないですけど!(笑)
確実に「キノコが居る」って存在感ありますもんね!

 

―今回の「好き」を観て思ったことなんですけど、「幸太」めちゃくちゃカワイかったですよね。

工藤:あはは(笑)

 

―幸太の好感度がうなぎ上りで。そういう事ですか?目指されてるのは?

工藤:一番心から「好き」って言いたい人が幸太なんですよ。
でも過去のいろんなことからふさぎ込んで閉じこもってしまった男の子だけなので、純粋に言っていいんだって解放される話ですからね。

 

―キャラクターとして幸太って一人の人間がすごく魅力的だったので、今日の話聞いてなるほどなぁと思いましたね。

工藤:あの話と幸太を観た後で、「現実で俺あんまり喋らない方がいいのかな」と思ったり(笑)
「あの子に会いたい」ってのが多かったので。

 

―「幸太」に会いたいと?

工藤:そうです。すごく嬉しかったです。

 

―本当に魅力的な演技をされるなと…「演技」でいいんですかね?

工藤:演技ですね。春陽にも言われるんですけど、僕は「芝居がち」なんですよ。
「芝居してる感」がすごく出るタイプなんです。
だから今回はいかにリアリティを出して「芝居する事」を排除するか。
客席から「どういう風に見えているか」をあえて意識せずにやりました。
本当はどちらかと言えば明智君みたいなタイプの役の方が僕は得意だったりするんです。

 

―そうなんですか?

工藤:明智君という役に関してはもちろん村尾さんほどにはハマらないですけど。
テンション高い役は好きです。けど劇団5454ではなかなかなくて、制限されることが多いです。

 

―「ト音」でも大人しい役でしたね。

工藤:「マザー」って作品では唯一クズの役だったんです。

 

―「マザー」はこないだ観劇三昧で配信開始されましたね!クズって!!(笑)

工藤:あれは是非見てほしいですね。僕が心から楽しんだクズ度合なので。
またやりたいですね。この役は。

 

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相手が何か言うからリアクションをする。

 

―役柄が決まって、台本を渡されたあと、どんなふうに役を作りこんでいきますか?

工藤:まずは台本を全部読んで、役の目的をとらえますね。
0から100までの流れがあるとして、コイツは何を考えているのか、何がしたいのか。
その次の場ではこの人に出会ってこう変わるんだ、みたいに漠然と抑えていくんですよ。
その結果最初の考えが180度変わってこれがいいな、って思えたってところで落差を見つけて幅を作ろうってのを決めます。
で、次は相手のセリフを覚えます。

 

―「相手」の?

工藤:そう、自分のセリフももちろん覚えるところは覚えますが、相手のセリフを覚えてたら、目的が決まってるから自分のセリフがうまく言えなくても芯から出る。
セリフとして出なくていいというのがあるので。それをしっかり取ってあとは自分のセリフを確実に入れる。

 

―会話を楽しんでいく感じですね。

工藤:セリフで芝居を覚えちゃうと、「おはよう」って挨拶をかわすシーンがあったとして、相手が「こんにちは」って言ったときにこっちは「おはよう」って返す役者になっちゃう可能性があるんですよ。
そうなるとおかしいじゃないですか。「こんにちは」って言われたら「こんにちは」じゃないですか。
春陽も会話やコミュニケーションを大切にする演出家なんで、そういうところに気を配りますね。
相手が何か言うからリアクションをするわけであって、そのセリフを忘れた場合はまたリアクションも変わってきますからね。

 

―少し話はそれるんですけど、今回の「好き」はすごく丁寧なつくりをされてるなという印象を受けたんですけど、あれは一字一句台本通りなんですか?

工藤:そうですね。語尾が若干違うことはありますけどね。
それ以外は言葉をすごく大事にする役だったのでいつも以上に確実に「言おう」とはしてますね。
オープニングのシーンでもハマりがあるので助詞すら変えられないですし、確かに丁寧に作ってありますね。

 

―工藤さんはこれまで、劇団5454 のすべての公演に出演されているそうですが、これまで一番印象に残っている役は何ですか?

工藤:そうですね…全部残ってはいるんですよ。
うーん…旗揚げの「ランドリーシンドローム」のクロダって役をやった時に、今と違ってほぼセリフのない役で出番も少なくて、
ただ劇団5454が「日常の隣のファンタジー」を謳ってたときの「ファンタジー要素」が僕だったんですよ。なので印象深いですね。実はその時に使ったベンチと今回の「好き」のベンチは同じものなんです。

 

―そうなんですか!

工藤:だから一周してそのベンチに戻ってきたというか、全部秋生(ト音)も寛太(マザー)もどの役も全部自分のなかでは大切なものなんですけど。
M0(開演直前にかかる音楽)がかからないスタートって言うと「ランドリーシンドローム」と「好き」が同じで。
僕がふっと出てきてベンチに座ってちょっとしたら芝居が始まるみたいな演出だったんです。

 

―「ランドリーシンドローム」を映像で観てから「好き」を観たひとはぐっとくるものがあるかもしれませんね。

工藤:ああ、面白いかもしれませんね!

 

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劇団5454「ト音(2013年版)」

 

―現在6ケ月連続配信中の劇団5454ですが、配信中の作品の中で、一番おススメしたい、もしくは初めての人はこれを観てほしいという作品&見どころを教えて下さい。

工藤:これね、悩むんですよ。ウチは結構作風が変わるんですよ、作品ごとに。
それでもやっぱり…「ト音」の初演はやっぱり見てほしいですね。見どころって言うと、シンプルな装置で作りなんですけど人間ドラマが確実に描かれてるところでしょうか。
演劇ならではの大きな事件は無いんですけど、確実に抱えているドラマがある。
二つの物語が同時に進んでいって重なる、最後はもっと予期していなかったものが!みたいな秀逸なつくりをしてるんですよ。
劇団5454の代名詞的な作品なので、やっぱり「ト音」は観てほしいですね。

他の作品もいいんですけど、それだけ観ると「次を観ようか」がなくなる可能性があるというか。
「激しくないな」とか「違うな」とか、その1作品を観て判断するじゃないですか。
まず「ト音」を観てくれれば他の作品のふり幅も楽しんでもらえるんじゃないかと思います。

 

―劇団5454の基礎になるような作品というわけですか。

工藤:そうですね。

 

―初演と再演両方配信されてますが、やはり初演がおススメですか?

工藤:はい。ストレートに初演観てから、再演版の方が良いと思います。
もちろん逆でもいいんですけど。再演版は観フェスで最優秀芸術賞取ってますしね。(笑)
あと、劇団を作ると同年代で固まりがちなんですよ、どうしても。
親子とか、先生と生徒を同年代がやると嘘っぽくなる。でもそこを少しでもリアルにってことで。
生徒が20代で先生は30代って分けたことで見やすく、違和感なく観られると思います。

劇団5454「ト音(2013年版)」→全編再生はこちら

 

―これは答えられたらでいいんですけど…「クロダ」って「何」なんですか?

工藤:(笑)

 

―「ランドリーシンドローム」の役のクロダと何か関係があるんですか?

工藤:多分主宰は認めてないんですけど(笑)「ランドリーシンドローム」のクロダって「猫」っぽい役だったから。
その時の制作の人に「クロちゃんクロちゃん」とか「ネコっぽいね」から始まって、「じゃあさ、劇団四季のキャッツメイクしてあげるよ」ってなったんです。なんかの休み時間に。
してもらったら「めっちゃおもろいやん」、「クロダの猫バージョンだ」ってなって。
その時のランドリーシンドロームのDVD特典に「クロダがやりたいシーンをやる」ってのが収録されてるんですけど、洗濯機を使ったり、人のオープニングを邪魔したりするような横暴なキャラが出来上がってしまったんですよ。

 

―横暴!(笑)

工藤:それから僕が別のイベントに出るときに、自分でも猫メイクできるかなって思い付きから少しづつやっていったら、行く先々で盛り上がったから(笑)
観フェスの前後夜祭は…「パーティなら正装しなきゃ」という理由でクロダになったんです。あれはホント悪ふざけですね。

 

―なるほど(笑)

工藤:でも劇団5454のPR隊長という事もあるんです(笑)
マスクって効果は演劇にはもともとあって、歌舞伎でもそうですけどマスクとかメイクで人は変わるんです。
ジムキャリーの「マスク」もそうですけど、クロダになった瞬間に一歩「アガる」んですよ、僕の中で。
度が過ぎるくらいの解放をしちゃうので、偉い人とも話せるようになるし、社長とかもこう…ガッと出来るようになりますし。

 

―ガッと(笑)

工藤:おかしいんですよ。良くはないですけどそれで盛り上がりますし。後は違う面を見せたい。やっぱりマッシュ(髪型)とかで制限されてますから、それでストレスが溜まってるんでしょうね(笑)
外に出したい欲求がクロダになって出てるのかもしれません。USJのお化け屋敷とか行ってもね怖くないんですよ。

 

―クロダで行ったら?

工藤:クロダで行ったらスゲー走れる。

 

―工藤さん自体はお化け屋敷ダメなんですか?

工藤:苦手なんですよホントに。

 

―すごい。性格まで変わるんですね。

工藤:そうですね。インドアからアウトドアに変わるんです。

 

ーすごい!

工藤:元をたどればそうなんです。クロダのメイクしてみようから出来たキャラなんです。
あれからおかしなシンドロームが始まって、今ではことあるごとに出てますね。

 

―いいキャラクターだと思います。
工藤:観劇三昧のマスコットキャラにしてもらっても。

 

―是非に(笑)

工藤:観劇ネコ三昧とかにしてもらって。

 

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              観フェス後夜祭のクロダ(左)と制作の萬田さん(右)

 

 

―クロダのその初期Ver.は「ランドリーシンドローム」のDVD特典にあるんですか?

工藤:当時初回で買ってくれた人に渡してたものなので今は無いんです。

 

―すごい!幻の!

工藤:幻の特典なんです。データもどっかにはあるとは思うんですけど、出すもんでもないなと思って。

 

―見たいなぁ~

工藤:全身タイツのネコメイク男が横暴に人のシーンを邪魔してるだけなんで。なんの意味もない映像ですけどね(笑)

 

―作品の余韻をぶち壊すような?

工藤:ぶち壊しますね。平気で(笑)

 

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ふとした瞬間に思い出してもらえるのが劇団5454の魅力。

 

 

―大分出身で、現在東京で活動されていて、大阪でも年に1回程度公演に来られてます…けどよく来られてますよね大阪?

工藤:(笑)ですね。ここに観劇三昧がある限りは。

 

―ありがとうございます(笑)今後行ってみたい地域は?

工藤:やっぱり東北なんですよね。行ったことないんです僕。最北で茨城までしか。
まだ行ったことのない場所にも演劇の力ってあるはずだと思うんですよ。
地震とか災害があった時に、まず必要なのは衣食住、演劇は後回しになるもんですけど。
でも心を癒せるのは演劇だと思うんです。まだ危うい地域があるというのであれば、僕らの劇団は5454(ゴシゴシ)で「汚れを落とす」「洗い上げる」なので演劇で気持ちを浄化させる力があるのなら東北には行ってみたいですね。
単純に北を知らないって興味もあるんですけど。

 

―国外とかには興味あったりしますか?

工藤:あります。ニューヨークに5年前くらいにパフォーマンスで行った事があるんです。僕と、今回守君やってた廉平と脚本の春陽漁介で。

 

―96969(クロックロック)?

工藤:そうですそうです。そのときのオーナーが「広い世界を見た方がいい」って。その時からこの髪型で。ビートルズヘアーって言われて。

 

―ああ、確かに。

工藤:そんなふうに言われたり、急に雨が降ってきて傘買おうとしたら「お前は傘買わなくてもいいだろ」って言われて「Oh,it is my umbrella」 って返してあっちが笑う。
「いや、いいからよこせ」みたいなことがあったりして、楽しかったです。
ボディランゲージだけでいけるから、海外は興味あります。
今は演劇やってますけど、僕はそもそも人が好きだから、日本人は好きだけどやっぱりいろんな国の人と関わりたいんです。
それこそクロダで行けば怖いモン無しですし、国間違えたら撃たれるかもしれませんけど。(笑)
日本人だって、コミュニケーション取るのは好きなんだぜ、閉鎖的な国じゃないんだぞって伝えたいですね。

 

―劇団5454の魅力、その中での工藤さん自身の魅力を聞かせてください。

工藤:劇団5454の魅力は基本的には「ハッピーエンド」だと僕は思ってるんです。
来てくれた人の時間とお金を僕らが使わせてもらっている以上は、観た人の中に残る作品を作りたいと思ってるんです。
90分、もしくは2時間の舞台で一生残るようなものを。

劇団5454の作品はテーマが全部ある。
例えば「ト音」なら「曇ってる」って言葉を覚えてもらって、嘘ついたときに「お前曇ってるよ」みたいに使ってもらったり。
「時喰」ならあくびすると「時間食われちゃうぞ」、「カタロゴス」ならふと時計を見て1時11分なら劇団5454を思い出す。

あと今回の「好き」なら好きって言うたびに「ああ、好きってこうだな」みたいに。
演劇って期間が短い。けど、キーポイントを覚えてふとした瞬間に思い出してもらえるのが劇団5454の魅力だと思います。

 

―それいいですね。ことあるごとに、日常的に劇団5454が思い浮かぶ。

工藤:そうです。あとは僕の魅力かどうかわからないんですけど…
キャラクターとして今キノコ(髪型)でいて。
劇団5454の中ではドラマパートに配属されることが多いので、代弁する役が多い気がします。
お客さんの中で日ごろストレスを抱えてたりとか、これ言ってほしいな、これ疑問なんだよなみたいなものを結構僕が作中で言ってるんじゃないかな。
スパッと。自分でも気持ちいい事があるんですよ。普段じゃこんな人にこんなにガツンと言えないなみたいな言葉も役の自分だとサッと言える。
魅力っていうのかはわからないですけど。…なんですかね?僕の魅力って?(笑)自分じゃ難しい!

 

 

―お客さんから観て共感できるキャラクターが多い。

工藤:そう思ってもらえると嬉しいです。

 

―最後の質問です。今後、演劇活動を続けていく中で、目標を教えてください。

工藤:もっと演劇界を盛り上げたい。漠然なんですけど。もっと、映画を観に行くみたいなレベルで演劇を観に行く人を増やしたいというのはありますね。

 

―素晴らしいです!

工藤:それは観劇三昧さん(株式会社ネクステージ)の理念と一緒ですね。
かつての演劇人口を取り戻すじゃないですけど、鴻上さん・蜷川さん・つかさんとかが拮抗してた頃よりも人口も劇場も減ってるんですよね。
今デジタル化が進んでるからこそ演劇というアナログなものでいかに人が人を呼べるかってのがカギだと思うので、僕らもまだまだ名前のない役者と劇団ですけど、公演都市を増やすことで出会える人達が増えている。
それを売れるって言い方をする人もいますけど、それで稼ぐというよりは、いろんな人に出会っていきたいなと思うので、もっと演劇界が盛り上がっていくといいなと思いますね。

 

―今日は素敵なお話ありがとうございました。

工藤:ありがとうございました。

 

 

工藤佑樹丸 次回出演

劇団5454プロデュース 2017年夏公演『幸福は今日もヒトゴミを歩く

8月9日(水)    19:30
8月10日(木)  13:00/19:30
8月11日(金祝) 13:00/19:30
8月12日(土)  13:00/18:00
8月13日(日)  13:00

会場:中野ザ・ポケット

▼詳細

http://4484.jp/48st/kouhuku.html

 

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