言いたいことは全てタイトルにあります。武田です。

 

今回話すのは不倫。そう。皆さんご存知のアレです。

ここでわざわざ言うまでもないでしょうが不倫はダメです。時代が時代ならバッサリいかれるほどの罪です。現代でも物理的にも社会的にもバッサリいかれます。

不倫、ダメ、ゼッタイ。

 

しかし、人は不倫と聞くと「まぁ、いやねぇ。あんな大人しそうな顔して」と口では言いながらも目線はくぎづけ。耳はいつも以上に鋭くなります。要するにものすごく興味があるのです。

ほら、週刊誌とかワイドショーとか。
「え、○○さんが不倫!?」と「まぁ、いやねぇ」と言いながらも口元を抑えながら笑ってはいませんか。

今回はそんな作品。そう。世間の大好きな不倫です。

 

 

 

キコ qui-co. 8th development

「Lullaby」

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【ストーリー】

—-intro

「三十を過ぎて、恋の告白をするなんて思っても見なかった。
ヨレたスーツに就活生みたいなリュックを背負ったみすぼらしい男の、話し声の虜になった。
朝にはアトムみたいだった寝グセが、夜になる頃にはいつの間にか直ってるんだ。いつも。
いつもわたしは惜しいなぁと思う。そしてさびしくなる。
昭和の女学生でもないのに、夜にはバイバイしなきゃいけなかった。
別れ際に見送る、男のどうしようもない笑顔を見て、恋の実感を知った。
こんなに人を好きになったのは、もしかしたら初めてかもしれない。
恋の実感は、鉈のように私の気道を断つ。
彼が独りでわたしを想う頃、私は夫に抱かれている。」

貧困の問題は元号が変わっても悪化の一途を辿り、日本の治安は過去最悪となった。
僕を含め、何かしらの犯罪に手を染めていない男などいない。
ATMがもの珍しい存在となり、自動販売機が街から姿を消した。新聞は戦争の可能性について論じた。
ほどなくして僕は、スマートフォンを持てなくなった。働くのに、生きがいを求める時代は終わった。
そんな時に、彼女と出会った。
海岸沿いを歩いた。長い橋の先には小さな島があり、僕たちはその島を【くろがね】と呼んだ。
乱れた治安と、それに伴う異様な立法が生んだのは部分的な治外法権。
【くろがね】において起きる恋愛の情事においては、一切の不問に付された。
【くろがね】は言わば、「不倫特区」として国民のガス抜きの役割を果たしていた。

「最後の恋だと思っていました。
くろがねのお蕎麦屋さんで食べたおまんじゅうの味を忘れません。
弁財天で投げた賽銭の軌道を忘れません。雨と熱と春を、わたしは忘れません。
忘れませんから、どうか、もう二度と、わたしを思い出さないでください。」

それから3年が経った。
僕は内臓を損傷し、使い物にならなくなった。
そうしてまた、この街に戻ってきた。
友達にお土産を買ってきた。友達の家の玄関を開けた。
ああ、そうか。
あれは僕にとっても最後の恋だったんだ。
恋の実感は癌のように全身に転移する。
空の群青も
春の痛みも
夢の残滓も
君の笑顔も

どうか
ぜんぶ嘘だと言ってくれ

—–

今回のキコ/qui-co.は初の「恋愛もの」です。
これまでも愛や恋やというものを描いてはきましたが、これを主題においたことはありませんでした。
キコ/qui-co.のメンバーも三人揃っていい年なので、そろそろ大人の恋愛をしっかりやっておこうというのが企画の発端です。
どうしようもない大人が、どうしようもない恋愛に、何かしらの救済を見出すような物語。
救済と言うと大袈裟ですが、イノセントや純愛ではない所に、希望を見出すことができたらと考えています。
そんな子守唄(=Lullaby)のような救済がしたくてこのタイトルです。
リアリティの確保と実験をしながら、表現するのはそこにいる不完全な生き物の穢れた罪。
しかし美しい赦しを。もちろん不倫なんてしてはいけません。しかし、

「不倫したくなる恋愛活劇」

をお届けします。

 

 

 

 

【キコ qui-co.】

 

2010 年3 月始動以降、平均、年に2 本程度のペースで演劇公演を行って来ました。

座付作家である小栗剛の「ことば」が描く脚本の骨太な会話劇を軸に据え、異常なシチュエーション、
世界観における青春やイノセントの輝きを、あくまで「日常性」に寄り添って描く物語が、近年熱い支持をいただいております。
生演奏やコンテンポラリー的なスタイリッシュな演出も特徴的ですが、なんと言ってもキコ/qui-co.の売りは「くるほしさ」です。
熱く迸った生々しさと純文学的な繊細さのせめぎ合いが人間の体に宿る現象を演劇であると私どもは考えます。
キコ作品の体験者に約束する感覚はこの三つ。

「鳥肌がたつ」
「清らかな気分になる」
「セックスしたくなる」

ロックと純文学を同時に爆発させる演劇をドロップします。

 

【日時】

5月2日(火) 19:00

5月3日(水) 14:00/19:00

5月4日(木) 14:00/18:00

 

 

【会場】

ザムザ阿佐ヶ谷

 

〒166-0001 東京都杉並区阿佐ヶ谷北2-12-21 ラピュタビル B1F

JR中央線・総武線 阿佐ヶ谷駅 北口より徒歩2分
(新宿より快速で9分 土日祝日は各駅停車をご利用下さい)
阿佐ヶ谷駅北口を出て線路沿いを荻窪方面へ

右手に見えるTOAフィットネスクラブの北側

 

【料金】

3,500円 全席自由

 

【キャスト】

佐藤健士
東澤有香
小栗剛
(以上、キコ/qui-co.)

百花亜希(DULL-COLORED POP)
鶴町憲
川上憲心(劇団川上風情)
春名風花(プロダクション・エース)
宍戸香那恵
ヒザイミズキ
柘植裕士
植松 俊 (エッグスター)
袖山 駿
阿部薫子
中村美沙

えりか(エチカ/BLASH)

 

【スタッフ】

脚本/演出:小栗剛(キコ/qui-co.)

演出助手:神近梨子
映像:荒船泰廣
舞台監督:吉倉優喜・新居真夏
照明:松本 永( eimatsumoto Co.Ltd. )
音響:杉山碧(La Sens)
当日制作:黒田哲平(voyantroupe)
制作:佐藤有限会社

 

 

【予約】

corich

 

 

平日の天使、その他の短編

 

 

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あらすじを読んでいるとなぜか口の中がジャリジャリする。

しかしそのジャリジャリした感覚は不思議と嫌な感じはしない。

僕と同じ感想の人。劇場へ行きましょう。

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