こんにちは。武田です。
早く暖かくならないですかね?
現在、観劇三昧で配信されている作品は543作品。
そのうえ、今も増え続けています。
この中で好みの作品を探すのはちょっと大変です。
そこで、毎回一つの作品をスタッフがレビューしていきます。
それを参考に好みの作品を探す手掛かりにしてほしい。
そんなコーナーです。
さて、今回レビューする作品はこちら。
「福喜多さんちの三兄弟」
【概要】
劇団925の旗揚げ公演。福喜多さんシリーズは2016年現在、9まで上演されている。
【劇団925】
2009年4月に中西邦子が魔が差して旗揚げした劇団。
劇団員は現在中西邦子1人。こんなところで友達がいないことが露呈。
劇団925は癒し系コメディをお届けします。
【ジャンル】
コメディ ドラマ
【ストーリー】
その日、 福喜多家にはお客様が来る予定だった。
不在がちな父が再婚したいと言い出したのだ。
そのお相手が挨拶に来るらしい。
けんかしながらも平和に暮らしていた三人の兄弟は、 戸惑いを隠せない。
福喜多家の夏の一日の物語。
【観る前の印象】
人気作、福喜多さんシリーズの1作目はどんな感じだったのか?
【感想】
個人的な話になるが、去年の5月に、福喜多さん9を観に行った。
その頃の僕は、いわゆる日常系の物語に苦手意識を持っていた。
セリフやほかのちょっとした事からどうしても非日常な匂いを感じとって、気持ちが冷めてしまうからだ。
なのでこの福喜多さんシリーズも少し疑いの目を持って観に行ったのを覚えている。
結論から言うと、すごく好みだった。関西弁で紡がれる優しい世界観の虜になった。
しかし、気になることが一つ。物語としては平坦だったし、いかにも演劇的なこともしなかったのに、どうしてこんなに面白かったのだろうか。
その秘密は原点である1に隠されているのではないか、そう思ったのが今回のレビューのきっかけだ。
1も面白かった。まさしく癒し系コメディだ。
このシリーズはセットがいい。主催の中西さんの家と間取りが同じらしいこのリビングは、冷蔵庫に電源が入っているし、蛇口をひねれば水だって出る。
(劇中では)人が住んでいるのだから当たり前のことだが、そのこだわりがイイ。
他にも床に放り出された洗濯物や、本棚のスペースが足りずに平積みにされた漫画など、妙なところに生活感が宿っている。
次にセリフ。このシリーズの脚本は、「役者のエチュードをセリフに起こす」という変わった方法で書かれている。そのため、登場人物は役者さんそのままのキャラクターで舞台に立っていることになる。ついポロッと出てしまったようなセリフが(まさかこれは演出!?)面白く、リアルに聞こえる。
登場人物も素敵だ。節約のためにクーラーを我慢したり、水道水を冷やして飲んだり、いい意味で庶民なのだ。
同じ庶民として、何回も「あぁ、あるある」とうなずきたくなった。
見える場所も、見えない場所も、ほんの小さなこだわりを積み重ねて、何でもない一日を描き出す。それがこのシリーズの魅力なのだろう。
「神は細部に宿る」とは誰の言葉だったか。細かいところまで力の入った本物の日常系演劇。是非とも1から観ていってほしい作品です。
ほっこり度 ★★★★★
笑える度 ★★★★★
細部のこだわり度 ★★★★★
【観劇三昧クイズ】
Q、よう子さんの作ったカレーはどんな味がした?
しっかりとカーテンコールまで観てお答えください。
【こんな人におススメ】
・水道水を常飲している人
・冷蔵庫に入ったことがある人
作品紹介
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・日程
2009年8月8日~9日
・会場
インディペンデントシアター2nd
・キャスト
福山しゅんろう(まじっくらじお)
関敬(隕石少年トースター)
田渕法明(アクサル)
中西邦子
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